クラウディアンの「Cloudian ver3.1」は、Amazon S3互換のAPIを備えたオブジェクトストレージソフトである。ハードディスクを積んだ汎用のPCサーバーにインストールして利用する。複数台のPCサーバーに処理を分散するスケールアウト構成によって、容量と性能を拡張できる。APIがAmazon S3互換であるため、アプリケーションがデータをAmazon S3に格納している場合、データ格納先としてCloudianを指定するだけでストレージを置き換えられる。
2014年3月に出荷するバージョンでは、データの自動階層化機能を追加している。S3の管理単位であるバケット(ディレクトリーのようなもの)ごとに、Cloudian、Amazon S3、Amazon Glacier(Amazon S3よりも低価格なサービス)の三つのストレージのどこに保存するかをポリシーで定義する。指定した期間が経過したデータをCloudianからAmazon S3に自動的に移動させるといった運用や、機密データに限ってはCloudian上に保持し続けるといった運用ができる。
Cloudianにアクセスするアプリケーションからは、Cloudianの背後でデータが階層化されているかどうかを知る必要はない。どのデータがどのストレージに書かれているかはデータのメタデータに書かれており、アプリケーションはCloudianを介してAmazon S3やAmazon Glacier上にあるデータにアクセスできる。データの格納先としては、一度Amazon S3やAmazon Glacier側に移動させたデータが、アクセスがあったからと言って自動的にCloudian側に戻ることはない(Cloudian側にデータを戻すには、明示的にリストアする必要がある)。
主な機能と用途 | オブジェクトストレージ構築用ソフト。Amazon S3互換APIを備える |
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その他の機能 | 一定期間が経過したデータをCloudianからAmazon S3/Amazon Glacierに自動的に移動させる自動階層化機能を備える |
提供形態 | ソフトウエア。PCサーバーにインストールして使う。スケールアウトによって拡張可能 |
参考価格 | Cloudianを導入するサーバー1台当たり年額70万円程度 |
発表日 | 2014年2月25日 |
出荷日 | 2014年3月初旬 |