前回はマーケティングツールを機能の面でまとめ、マーケティングプロセス全体の中での役割を明確にすることをポイントの1つとして述べた。今回は、そのマーケティングプロセスにおけるITツール活用のシーンについておさえていこう。

 マーケティングとは、自社の製品・サービスを、何を価値として、どのような会社の、どのような部門の人に対し、どのような経路で、いくらで、どのようなコミュニケーションを通じて購入してもらうかを、内外の状況に応じて戦略的に実行していくことだと表現できる。これがマーケティングプロセスの全体像だ。

[画像のクリックで拡大表示]

 自社の製品やサービスの持つ機能や特性が、購買する側にとってどんな便益となるのか。市場の中でどうポジショニングしていくのか。提供する便益をもっとも強く求めているのはどんな顧客層か、競合が充分にアプローチできていないのはどんな顧客層か。あるいは自社の既存顧客が求めていることは何なのか、それらを新たな製品やサービスとしてラインナップできないか。提供価格は何をベースに決め、具体的にいくらにするのか。自社の営業リソースによる直販だけなのか、販売パートナーによる間接販売も行うのか。あるいはECやオンラインでの注文受付が必要なのか…などを顧客・競合・自社・経済/政策の状況や影響を踏まえて策定していくことが求められる。

 次に、策定した内容をもとに、必要な相手とコミュニケーションをとって、結果として買ってもらわなければならない。ここでもまた内外の環境を踏まえてコミュニケーションの計画を立て実行していくことになる。中でも、顧客の購買プロセスに沿って顧客目線でコミュニケーションを展開していけるように検討することが重要だ。その購買プロセスに変化が起きていることは 前回も少し触れた。変化した顧客に対応して、こちら側も変えていかなければならない状況となっている。

 そして、すべてのマーケティング活動の成果が見える形で現れてくる最も重要な指標は、売上になる。これは前述のコミュニケーションの――営業担当者によって対面で実施されるものも含めた――積み重ねの結果として創出されるものになるが、この実績と見通し、計画と対比しての管理というのも、マーケティングプロセスの大切な工程となる。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。