携帯電話事業者は通信品質向上のため、地道な努力を繰り返している。KDDIはピコセルの敷設、ソフトバンクモバイルはイー・アクセスやウィルコムの資産の活用を最優先して、容量を高めようとしている。具体的に2社の取り組みを見てみよう。

KDDI
“エリア職人”が一気通貫で品質改善
ピコセルで機動的に穴を埋める

 LTEのエリア展開を急ピッチで進めるKDDI。同社は、他社と比べて、とりわけユニークなアプローチで品質改善の取り組みを進めている。2012年8月に開始した“エリア職人”と呼ぶ制度だ。特に人が多く集まるエリアを対象に、エリア職人がエリア状況のチェックから品質改善手段の決定、工事管理、効果検証まで一気通貫で担う体制である(図1)。

図1●各エリアの品質チェックから対策決定、物件交渉まで一気通貫で担うKDDIの「エリア職人」制度
市街地の混雑エリアを解消するために、KDDIが2012年8月から進めている取り組みだ。工程ごとに縦割りにするのではなく、すべての工程を該当地域担当のエリア職人が担う。
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 同社では既に全国で100人強のエリア職人が任命されているという。「様々な品質改善用のデータを参考にしながら、品質が劣化しているエリアに実際に足を運ぶ。人が滞留している場所など現地の空気を肌で感じたうえで、実際の対策エリアを選定する」と、エリア職人の1人である同社技術統括本部建設本部エリア統括部東京エンジニアリングセンター設計2グループの田辺慎マネージャーは話す。

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