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 マーケティングを支えるITツールを斬ると題し、BtoBマーケティングで活用できるシステムやツールを掘り下げて紹介していく本連載。一回目は、マーケティングにITが必要になってきている背景と、ITツールにどのような機能があるのかの概要についてまとめる。

 ガートナーが「2017年までにCMOによるIT投資がCIOのそれを上回る」との予測を発表してから2年が経過した。この予測はハイテク業界を対象にしたものだが、筆者は、他の業界も含めて、マーケティング領域へのIT投資は今後ますます積極化されると確信している。その理由は大きく2つある。

買う側の変化がマーケティング領域への投資を加速する

 理由の1つは、マーケターや営業が相対する「買う側」の変化だ。企業の購買担当者は、基本的に購買の決定に際して上司や関係部門の同意・承認を得なければならず、そこでの納得感がひとつのポイントになるため、事前の情報収集は欠かせない。以前はこの情報収集行動は、メーカーやベンダーの営業担当者に話しを聞くことや、展示会やセミナー等への参加を通じて行われていた。それが、この10年で検索エンジン経由のWebサイトでの情報収集が初期段階においてはメインとなり、Eメール、(業界によっては)ソーシャルメディアなどを経由して入ってくる情報も活用するようにシフトしている。裏を返せば、売る側としては、Webサイトへの情報掲載、その検索エンジンでの上位表示、Eメールなどを使った情報発信を行う必要が出ているということだ。

 さらに購買担当者は、売上の向上が困難な中で、経営部門から原価や経費の削減への貢献を求められている。そして購買時の承認プロセスも厳しく多層化されている。そのような中、営業側としても、確実に契約にまで至るために、情報武装をして、しっかりとした手順を踏んだ営業活動をしなければならない。それゆえ、営業の活動管理や顧客の情報管理、案件の進捗管理、情報共有などが必須になってきている。

 IT投資が積極化されるもう1つの理由は、より営業生産性を向上させる必要が出てきていることだ。この背景には2つの要因があり、1つは先の購買プロセスが厳格化されたことによって営業工程が長期化傾向にあり生産性が低下せざるを得ない状況にあることと、そもそもの労働力人口が減少しているという社会的事情だ。

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