LTEやWiMAX、AXGPといったモバイルデータ通信サービスの高速化に伴い、これらを自宅の固定回線の代わりに活用するユーザーが増えている。今回は、自宅のインターネット接続手段を読者モニターに尋ねた。
まず自宅のパソコンなどでインターネットに接続する方法を聞くと、「固定回線のみ」が59.5%、「固定とモバイル回線の両方」が31.1%、「モバイル回線のみ」が8.4%だった。モバイル回線はスマートフォンやタブレット端末のテザリング機能を含む。ユーザー(75件)の6割弱(44件)はデータ通信カードやモバイルWi-Fiルーターによる接続である。モバイル回線の通信規格(複数回答)はLTEが47件、3Gが31件、WiMAXが18件だった。
固定回線はユーザー(172件)の7割弱(116件)が光回線である。内訳はNTT東西が36.0%、それ以外が31.4%。光回線以外は、ADSL回線が16.9%、CATV回線が11.6%という分布だった。固定回線の見直し予定を聞くと、8割弱が「ない」としており、「ある」という回答でもモバイル回線への切り替え(一本化を含む)は5%にも満たなかった。
もっとも、今回の調査結果は読者モニターの属性の偏りが多分に影響している可能性がある。回答者の約47%が40歳代、約37%が50歳代となっている。モバイル回線だけで十分というユーザーは学生をはじめとした単身者に多く、こうした傾向を反映できていない点を断っておきたい。
自由記入欄では、今後はモバイル回線が「主」、固定回線が「従」に切り替わっていくとする意見が多かった。モバイル回線は年末年始や災害時の通信規制など、通信量を制限されることもあって固定回線の完全な代替は難しいが、利用主体はモバイル回線が中心になるとの考えである。一方、実効速度や安定性、セキュリティなどの面で固定回線を評価する声も根強い。どちらか一方に収束するという話ではなく、使い分けが今後ますます多様化していくことになりそうだ。
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2013年9月18日~26日
回答企業数(回収率):358 社中190 社(53.1%)