日本ヒューレット・パッカードの「HP mt41 Mobile Thin Client」は、持ち歩いて使うことを想定したノート型のシンクライアント端末である。主な特徴は二つある。一つは、パケットロスを補完して通信環境を改善するソフト「HP Velocity」を搭載したこと。もう一つの特徴は、ノート型としては初めてTPM(Trusted Platform Module)規格に準拠したセキュリティチップを搭載したことである。
特徴の一つであるHP Velocityは、シンクライアント向けに開発した、C/S(クライアント/サーバー)型で動作するTCP/IPパケット制御ソフトである。電波回線のようなパケットロス率が高い環境において、効率的にパケットを転送できるようにする。シンクライアントからリモート操作する仮想デスクトップOS(Windows XP以降/Windows Server 2003以降)上に、HP Velocityのサーバーソフトをインストールして使う。
二つ目の特徴であるTPMセキュリティチップは、汎用OS(Windows Embedded Standard 7など)を搭載したデスクトップPCやシンクライアント端末のセキュリティ機能を高めるハードウエア機構である。暗号鍵やユーザー認証パスワードなどをハードウエアチップで管理・保存することで、データを奪われたりOSが乗っ取られたりしないようにする。
従来、同社のシンクライアント端末でTPMセキュリティチップを搭載していたのは、汎用OS(Windows Embedded Standard 7など)を搭載し、なおかつデスクトップ型の機種(t610/t820など)に限られていた。ノート型の機種(mt40)はTPMを搭載していなかった。今回、mt40の後継機であるmt41において、ノート型としては初めてTPMを搭載した。これにより、端末紛失/盗難時に以前よりもデータ漏えいを効果的に防止できるようになった。
ディスプレイ | 14.0型ワイド液晶 |
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画面解像度 | 1366×768ドット |
OS | Windows Embedded Standard 7 |
シンクライアントプロトコル/ソフト | RDP Citrix Receiver(ICA) VMware Horizon View(RDP/PCoIP) |
外形寸法 | 幅340×奥行237×高さ29ミリメートル |
重さ | 2.08キログラム |
CPU | AMD Elite Dual-Core A4-4300M APU |
グラフィックス機能 | CPU組み込みのRadeon HD 7420G |
メモリー | 4Gバイト |
ストレージ | SSD(容量16Gバイト) |
価格(消費税5%込み) | 7万5600円 |
発表日 | 2013年11月26日 |
出荷日 | 2013年11月28日 |