NTTコミュニケーションズ
コスト削減をトリガーに業務改革
データを端末に残さない手法を選択
BYODソリューション推進室 室長
三隅 浩之(写真左)
経営企画部
BYODソリューション推進室 担当課長
古澤 祐治(写真右)
NTTコミュニケーションズでは2013年5月時点で約4000台の私有スマートフォンが業務に使われている。導入の目的はBCP(事業継続計画)、コスト削減、働き方改革の3つだ。
BYODを開始した最初のきっかけは、2011年1月にパンデミック対策として自宅のパソコン(PC)で業務できるようにしたこと。直後の東日本大震災でも有効性が実証できた。
その後、社内でもスマートフォンの利用者が目立つようになり、それらを業務に活用することで、コスト削減と働き方改革の両方を実現できるという機運が高まってきた。そこで同社はスマートフォンによるBYODを同年9月に開始した(図2-1)。
コスト削減はスマホ全展開の手段
同社では、スマートフォン、タブレット端末、PCの3種類を特性に合わせて使い分けている(表2-1)。
BYODで中心となるのはスマートフォン。主に通話、メール、スケジュール、ワークフローやSFA(セールスフォース・ドットコムのSalesforce CRM)などに利用する。PCは基本的に会社貸与だが、在宅勤務では自宅の私有PCを使う。タブレット端末は、私物と会社貸与の両方がある。ただし、会社貸与がメインで、約2000台のiPadを営業担当者に配布している。
私有スマートフォンによる業務通話には、同社のスマートフォン向けIP電話サービス「050 plus for Biz」を利用する。会社貸与の携帯電話を代替してコスト削減を狙ったもの。約1億3000万円の削減効果があったという。
ただ、BYODによるコスト削減は、スマートデバイスを活用した業務改革や働き方改革を進めるための手段という側面もある。スマートフォンによる業務改革は、全社員に行き渡らせることでより効果を発揮するが貸与だけではコストがかかるため、行き渡る数が限られてしまうからだ。