Windows XP SP3のサポート終了が2014年4月9日(日本時間)と残り7カ月に迫る中、情報システム部門の頭を悩ませているのが、次に購入する社内PCの選定だ。法人向けPCのベンダーは、タッチ操作にもキーボード操作にも対応するWindows 8の特徴を生かしたPCを相次ぎ投入している。タブレットとノートPCの役割を1台でこなせるのが特徴だ。
明治安田生命は2013年9月より、Windows 8タブレット約3万台を導入する。国内約1200カ所の拠点で営業職員に貸与し、動画を使った商品説明や契約のペーパーレス化につなげる考えだ。
Windows XPの後継として、これまでWindows 7一色だった法人向けPC市場で、Windows 8がじわりと存在感を高めている。PCベンダーも、新OSの特徴を生かしたPCを投入している。
「8.1」で7と同様の初期画面に
Windows 8を搭載した法人PCの普及に大きく寄与しそうなのが、米マイクロソフト(MS)が2013年10月18日に公開する最新版「Windows 8.1」である。
2013年8月時点では、出荷される法人PCのうちWindows 8搭載機の割合は1割ほど。ユーザー企業が導入に二の足を踏んでいるのは、まだ発売から1年経っていないことに加え、タッチ操作が前提の「スタート画面」の導入などでユーザーインタフェースが大きく変わり、社員が戸惑う懸念があるためだ。Windows 8.1の登場で、こうしたデメリットのいくつかが解消される見込みだ。
MSはWindows 8について「Service Pack」という名称での最新版の配布は行わないことを表明しており、8.1は事実上の「SP1」に当たる。一般に企業が新しいOSの導入を検討するのは、初期のバグを修正した「SP1」の登場以降なので、これでWindows 8導入のハードルが下がる。
さらに8.1では、起動後の初期画面を、Windows 7と同様のデスクトップ画面に設定できるようになる見込み。従来の初期画面はスタート画面に固定されていた。これまでMSは「この初期画面をカスタマイズで変更することを、規約で禁じていた」(法人PCメーカー)が、ユーザーの声を受けて方針転換したとみられる。
三つのハード構成から選択する
タッチ操作をはじめとするWindows 8の新UIを生かしたPCのハードウエアは、大きく3種類ある(図)。(1)通常のノートPCからディスプレイを分離し、タブレットとして利用できる「脱着型ノートPC」、(2)ディスプレイを回転させたりスライドさせたりして筐体が変形することでノートPCにもタブレットにもなる「コンバーチブル型ノートPC」、(3)そして軽量で持ち運びやすいことを重視した「タブレットPC」である。いずれも無線LAN(11n/a/b/g)やBluetooth v4.0、マルチタッチを実現する静電容量型タッチパネルを標準で備えている。