「ベストブランド」では、今回15社を選出した（表1）。前回に比べて、国内企業、外資系企業とも1社ずつ増えている。総合スコアが高かったその他の企業も表2に紹介する。
ベストブランドは、ビジネスパーソンを対象に、クラウド関連製品・サービスを提供するITベンダーに関するアンケート調査を行って選出している。調査の名称は「クラウドベンダー・イメージ調査」でITベンダー200社について「認知度」「信頼性」「技術力」「実績」「提案力」「マーケティング力」に対する印象を尋ねた。今回は6266人のビジネスパーソンから有効回答を得た。調査結果を基に総合スコアを算出し、小数点第2位以下までをみて62.5以上のITベンダーをベストブランドとして選出した。
SAPジャパンを初選出
今回は、SAPジャパンがベストブランドとして初めて選出された。総合スコアは62.5である。6分野のうち「マーケティング力」に関するスコアが64.4と比較的高い。
ERP（統合基幹業務システム）を軸に事業を展開してきた同社は2013年6月にクラウド事業へ本格参入することを発表。クラウドファースト事業本部を新設し、幅広いクラウドサービス基盤をSAP HANA Cloud Platformに統一している。現在、「People」「Money」「Customer」「Supplier」という4分野を対象に、パブリッククラウドサービスを用意しており、日本市場においても全分野でクラウドサービスを展開するという。
グーグルが5回連続で最高値
総合スコアが最も高かったのは、第6回に続きグーグルで総合スコア81.7を獲得した。第3回調査から5回連続でベストブランド中の最高値を得ている。「認知度」や「実績」「マーケティング力」のスコアが80を超す。また、セールスフォース・ドットコムは81.1と、グーグルに肉薄する高い総合スコアを得た。以下、アマゾン・ドット・コムから日本IBMまで外資系ITベンダーが5位までを占める。
今回選出された国内ITベンダーはNTTデータ、富士通、NTTコミュニケーションズ、インターネットイニシアティブ（IIJ）、日立製作所、NECの6社である。日立製作所は再選出である。信頼性に関するスコアが67.1と6分野の中で最も高い。
「クラウドベンダー・イメージ調査」は日経BP社と日経BPコンサルティングが、日経コンピュータやITproをはじめとする日経BP社のIT系メディア、および日経ビジネスオンライン読者、日経BPコンサルティングが所有する調査モニターを対象に実施した。2013年7月2日から2013年7月29日に、日経BPコンサルティングのインターネット調査システム「AIDA」を通じて回答を収集した。有効回答は6266件だった。有職者からの回答のみを有効とした。
クラウドベンダーとしての企業認知度は該当企業のクラウド関連製品/サービスについて「詳細認知（詳細を知っている）」「概要認知（概要を知っている）」「事業認知（事業を行っていることを知っている）」「非認知（知らない）」の4段階で評価してもらった。それぞれの評価に100、66.7、33.3、0を加重した値を、平均値が50、標準偏差が10となるように標準化して認知度スコアを算出した。
調査対象は200社。過去3回の調査で認知度が低かった企業は対象から外した。調査した200社のうち、その企業の存在自体を「非認知（知らない）」と答えた回答者の割合が66.7％未満だった143社を集計対象とした。
イメージの項目は「信頼性」「技術力」「実績」「提案力」「マーケティング力」の5種類。クラウドベンダーとして認知している企業について、各項目ごとに4段階で評価してもらい、認知度と同じ方法でスコアを算出した。
認知度スコアに3.5、信頼性スコア、技術力スコア、実績スコアにそれぞれ1.5、提案力スコア、マーケティング力スコアにはそれぞれ1を加重した値の合計値を、平均値が50、標準偏差が10となるように標準化して総合スコアを算出した。総合スコア62.5以上のベンダーを、「ベストブランド」に選んだ。
回答者の平均年齢は46.0歳。回答者の属性を下の図に示した。
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