IaaSやPaaSの導入を支援するパブリッククラウド導入支援サービス部門では今回2サービスを、プライベートクラウド構築支援サービス部門では4サービスをそれぞれ選出した。
ウフルのサービスを初選出
パブリッククラウド導入支援サービス部門では、テラスカイの「クラウド導入コンサルティングサービス」（総合スコア66.0）、およびウフルの「パブリッククラウド導入支援サービス」（同65.4）の二つをベストサービスとして選出した（表1）。
このうち、ウフルのサービスはこれまで「その他の高評価サービス」に登場したことがあるが、今回初めてベストサービスに選出された。同サービスは、Salesforce、Google Apps、Microsoft Office 365、Amazon Web Servicesといった複数のパブリッククラウドサービスを対象に、事前コンサルティングから保守・運用支援までをワンストップで提供する。今回は「サービス内容」「提供要員」「利用開始支援」の3分野で満点を得ている。
パブリッククラウド導入支援サービス部門で最高スコアを得たのは、前回に続いて、テラスカイの「クラウド導入コンサルティングサービス」（66.0）である。6分野ある評価項目の中で、「サービス内容」「提供要員」「提供拠点」「利用開始支援」「実績」の5分野で満点を獲得した。前回は4分野で満点を得ていたが、今回は「提供拠点」が加わった。
「提供拠点」は支援サービスを提供可能な国内地域などを評価する内容になっている。テラスカイの同サービスの提供拠点は日本全国のほか、北米（米国・カナダ）、ヨーロッパ、中国、中国を除くアジアで提供することができる。
パブリッククラウド導入支援サービス部門では、総合スコアが62.5未満でベストサービスには選出していないが評価の高い8サービスについても、「その他の高評価サービス」として掲載した。富士ソフト（2サービス）、SCSK、日立製作所、富士通、TDCソフトウェアエンジニアリング、アイレット、ネットスイート各社のサービスがある。
その他の高評価サービスを含めたパブリッククラウド導入支援サービス部門全体の傾向としては、全体的に総合得点（評価項目ごとの得点合計）が上がる一方で、総合得点の平均が50点、かつ標準偏差が10になるように標準化した総合スコアが下がったことが挙げられる。
パブリッククラウド導入支援サービス部門における第6回の総合得点の平均点は54.6だったが、今回は同58.8と4.2ポイント上がった。その影響で、平均点からの差を基に計算する総合スコアが全般的に下がったとみられる。
NTTコムなど4サービスを選出
プライベートクラウド構築支援サービス部門では、NTTコミュニケーションズ、日立製作所、新日鉄住金ソリューションズ、日本ヒューレット・パッカード（HP）の4サービスを選出した（表2）。
総合スコアが最も高かったのは、NTTコミュニケーションズの「クラウドマイグレーションサービス」である。7分野中の6分野で満点を獲得している。クラウド構築とネットワークの両サービスを一体的に提供できる。
日立製作所の「プライベートクラウドソリューション」は企業または企業グループ内のITリソースを集約・共有化する統合ITインフラの構築を支援する。
新日鉄住金ソリューションズのNSGRANDIR＋（エヌエスグランディールプラス）はサーバーやストレージ、データベースといったリソースを共通基盤として統合する。ストレージ仮想化の環境整備についてもカバーする。
日本HPの「HP CloudStart」は、「HP CloudSystem Matrix」を中核とした、クラウド環境に必要な管理ツールと構築サービスをパッケージングしている。memcachedおよびHBaseといったビッグデータ関連の先端的なソフトウエアも扱う。
プライベートクラウド構築支援サービス部門においても、総合得点の平均値は前回の58.7から今回63.0に上昇した。同部門でも、総合スコアが62.5未満だが評価の高い6サービスを「その他の高評価サービス」として掲載した。日立システムズ、SCSK、日本IBM、TDCソフトウェアエンジニアリング、NTT東日本、伊藤忠テクノソリューションズ（CTC）各社のサービスがある。