東京・秋葉原にある電子部品の商店街「秋葉原ラジオストアー」が今年11月末に閉館するという記事が、「惜別 ラジオストアー」の見出しで2013年10月3日の日本経済新聞朝刊に掲載されました。

写真1●64年の歴史に幕を閉じる「秋葉原ラジオストアー」

 1949年に10人の露天商で立ち上げた秋葉原ラジオストアーですが、インターネットを通じた取引がいまや主流となり、その役割を終えることになったようです(写真1)。記事では、「ラジオ少年」の頃から通ったという70代男性も「さびしいのひと言」と言葉を失った、ともありました。

 インターネットの普及とともにお客が減り始め、まずは電子部品を仕入れにきていた企業関係者、電機メーカーの試作担当者たちが姿を見せなくなったようです。その後は「ぶらりと立ち寄って店員と話すのが楽しみだった」といった常連客も潮を引くようにいなくなり、「そして誰もいなくなった」となったのでしょう。

売り上げ減は震災の影響だけではない

 秋葉原ラジオストアーだけではありません。中小企業の経営環境は、インターネットの普及ともにがらりと変わりました。そしてインターネットを活用しているかどうかで経営内容が大きく変化したのも中小企業です。

 「リーマン・ショックは乗り越えたが、東日本大震災の影響が残っているのか、最近、なんか売り上げが下がってますね」と言うのは東京・板橋区にある印刷業のA社長です。私も「そのようですね」と返しましたが、売り上げが減った原因は、震災の影響だけではありません。インターネットでお客を取られているのです。

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