今春、KDDI(au)の広告において、実人口カバー率に関する誤記が問題となった。通信速度の表記についても見直しを求める声が出ており、総務省が統一基準を設ける方針を示している。今回は、携帯電話事業者各社が公表する人口カバー率や通信速度に対するイメージを読者モニターに尋ねた。

 まず、事業者を選ぶ際に重視する点を聞くと、上位から、通信料金、エリア、通信品質、端末価格、通信速度の順になる。特にエリアは回答者の7割弱が重視しており、通信料金と並ぶ重要項目となっている。

Q1. 携帯電話事業者を選ぶ際に重視する点はどれですか
Q1. 携帯電話事業者を選ぶ際に重視する点はどれですか

 だが、携帯各社が公表する人口カバー率や通信速度を評価にしている人は少ない。「重視している」割合はともに5.7%で、4割前後が「重視/信用していない」とする。5割超が「参考程度」の位置付けだ。ソフトバンクモバイルが宣伝・広告に活用する「接続率」に至っては、「重視/信用していない」が64.4%に達した。

Q2. 携帯各社が公表する人口カバー率を参考にしていますか
Q2. 携帯各社が公表する人口カバー率を参考にしていますか
Q3. 携帯各社が公表する通信速度を参考にしていますか
Q3. 携帯各社が公表する通信速度を参考にしていますか

 最近では第三者機関による調査結果も増えているが、「全般的に重視している」割合はわずか3.4%。上位から「全般的に参考程度」が46.6%、「全般的に重視していない」が20.1%、「第三者機関に関係なく、基本的に信用していない」が12.6%となっている。ただ総務省が統一基準を設けた場合、やはり「参考程度」が47.7%と多いものの、「重視する」が37.4%と一気に高まる。自由記入欄では「都合の良い数値だけを出してくるので、そもそも信用していない」といった厳しい意見が目立ったが、それでも何らかの指標となる統一基準を設けるのが望ましいと考える読者は多い。

Q4. 総務省が統一基準を設けた場合、参考にしますか
Q4. 総務省が統一基準を設けた場合、参考にしますか
回答者のコメントから
 通信サービスはユーザーの使用環境や要求水準で大きく変化するため、数値による広告は困難。ユーザーにとって意味のない広告はやめるべきである。第三者機関による実測値評価はある程度参考になるが、評価環境が実態に沿わないものになると意味がない。技術仕様を広告に使う場合の指針を早急に定め、統一すべきだ。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2013年7月18日~25日
回答企業数(回収率):381社中180社 (47.2%)