今後重要になる4つの力---モバイル、クラウド、ソーシャル、ビッグデータの中で、最も分かりにくい言葉がビッグデータだろう。実際、モバイル、ソーシャルは実際に使われているし、クラウドも理解が進んでいる。
だがこの1年間で、ビッグデータという言葉自体の認知度は、急速に高まった。例えば、電車の中吊り広告に「いまさら聞けないビッグデータ」といった言葉が踊っているし、テレビを見ても、選挙や震災に絡めてビッグデータが語られるようになった。ビッグデータは、今やITの専門家以外の人でも知っている言葉になった。
この状況は、企業にとっては、「追い風」だ。
「ビッグデータを理解している」と答えた割合は70%
認知度の向上を裏付ける調査結果もある。ガートナーが2013年8月に、ITにかかわる人を対象に実施したユーザー調査の結果でも、「ビッグデータという言葉を聞いたことがある」と答えた割合は86%にも上る。「ビッグデータを理解している」と答えた割合も、70%に及ぶ(図)。
図●「ビッグデータ」は日本でも常識になった
その一方で、「ビッグデータは企業を成長させる」と答えた割合は、45%にとどまっている。ビッグデータは、ITで企業の将来をドライブする一つの大きなコンポーネントであり、大きなポテンシャルを秘めている。その割には、この45%という数字は低く見える。