2012年度の国内クラウドサービスの市場規模は5102億円で、2015年度には1兆2558億円、2017年度には2兆411億円に達するとMM総研が予測している。同市場の2012年度~2017年度の年平均成長率は32.0%で、分野別で最も成長率が高いのはパブリッククラウドだという。ただし、金額ベースではプライベートクラウドが市場全体の約7割を占める。

クラウドサービス市場規模とクラウド化率
クラウドサービス市場規模とクラウド化率

 2012~2017年度のICT投資総額は年間約25兆円で横ばいに推移する見込みのため、ICT投資総額に占めるクラウド市場への投資比率である「クラウド化率」は、2012年度は2.1%に過ぎないが、2017年度には8.2%に増加するという。

 クラウドサービスの急成長の背景には、国内法人ユーザーの意識の変化がある。新規システム構築の際に「原則的にクラウドを利用する」と回答したユーザーは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを合わせて35.0%に上る。「クラウドとオンプレミスのメリットを勘案して最適な方法で構築する」と回答したユーザーも含めると69.1%がクラウドの活用を検討している。

新規システムの構築方法
新規システムの構築方法

 このことから、米国などのクラウド先進国と同様、国内でもクラウドを最優先に検討する「クラウドファースト」が浸透していることが明らかとなった。