オフィスソフトや電子メール、テレビ会議などのサービスを提供する「Office 365」がバージョンアップされた。主な強化ポイントは、企業で導入が進むスマートデバイスへの対応を強化したことと、東日本大震災後に関心が高まっているテレビ会議機能を強化したことである。

 日本マイクロソフトは2013年2月27日、「Office 365」のバージョンアップを発表し、新規ユーザーに対しては同日から提供を開始した。旧バージョンを利用中の既存ユーザーに対しては順次、新バージョンを利用できるようにしていく予定である。

 Office 365とは、同社がソフトウエア製品として提供している「Office」「Exchange」「SharePoint」「Lync」などをSaaS(Software as a Service)として提供するクラウドサービスで、Webブラウザーを使って利用する。

 仕様書の作成やプロジェクト管理などで、文書作成ソフト「Word」や表計算ソフト「Excel」などを利用するITエンジニアは多いだろう。Office 365のサービス「Office Web Apps」を使うと、WordやExcelの機能をWebブラウザー上で利用可能になる。同様にExchangeの機能は「Exchange Online」、SharePointの機能は「SharePoint Online」として提供され、Webブラウザー上でメールを送受信したり情報を共有したりできる。

 主なサービスの利用料は、Exchange Onlineが月額160円/ユーザーから、SharePoint Onlineが月額250円/ユーザーから。複数のサービスを組み合わせて月額利用料を割り引いたプランも用意している。Office Web Appsは、SharePoint Onlineや同サービスを組み合わせた割り引きプランを契約すると無料で利用できる。

iPhone/iPadで編集可能

 新バージョンでは、「スマートデバイスでオフィスソフトを使いたい」「拠点間でテレビ会議をしたい」といったニーズに対応した機能強化を図っている(図1)。

図1●オフィスソフトを各種スマートデバイスで使いたい、テレビ会議を活用したいといったニーズに応えた
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 大塚商会の相澤 孝氏(マーケティング本部 Office 365 プロモーション課 課長)は、「iPhoneやiPadといったスマートデバイスを支給する企業が増え、スマートデバイスでもオフィスソフトを使いたいというニーズが出てきている」と指摘する。

 ところが、旧バージョンのOffice 365はPCでの利用を前提としていて、スマートデバイスのWebブラウザーでは、WordやExcelなど文書ファイルの閲覧しかできなかった。また、指先を使ったタッチ操作を想定したインタフェースでなかったため、スマートデバイスでは操作しづらかった。

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