写真1●米EMC、アジア・パシフィック・ジャパン、バックアップ・リカバリ・システムズ部門、シニア・ディレクタ兼チーフ・アーキテクトのP.K.グプタ(Gupta)氏
写真1●米EMC、アジア・パシフィック・ジャパン、バックアップ・リカバリ・システムズ部門、シニア・ディレクタ兼チーフ・アーキテクトのP.K.グプタ(Gupta)氏
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写真2●EMC Data Domain DD2500の外観
写真2●EMC Data Domain DD2500の外観
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 EMCジャパンは2013年8月6日、重複排除機能を持つバックアップ専用NAS装置「Data Domain」全7モデルのうち、ミッドレンジに位置する4モデルについて後継機を発表した(写真1)。2013年第3四半期から出荷する。いずれも性能や拡張性を高めつつ、容量単価を下げた。さらに、Data Domainのソフトウエアを強化し、バックアップソフトを支援する各種の機能を追加した。

 ミッドレンジに位置する既存の4モデル「DD890」「DD860」「DD670」「DD640」に対して、それぞれ後継機となる4モデル「DD7200」「DD4500」「DD4200」「DD2500」(写真2)を用意した。最も安価となるDD2500の価格は450万円(税別)からで、従来機のDD640との比較では、性能および拡張性がそえぞれ4倍に向上し、容量(ギガバイト)単価が38%低減した。

 なお、Data Domainとは、データバックアップ用途に特化したNAS装置である。最大の特徴は、重複排除機能を備えること。NASストレージ側で重複を排除する仕組みだが、専用のエージェント「DD Boost」を使うと、バックアップサーバー側に重複排除の一部をオフロードできる。これにより、重複データをネットワークに転送せずに済む。DD Boostは、各種のバックアップ製品(EMC Avamar、EMC NetWorker、Symantec NetBackupなど)に組み込んで利用する。

 今回は、Data Domainのハードウエア強化に加えて、DD Boostの強化や、Data Domain本体のソフトウエアの強化も図っている。

 DD Boostの強化では、FC(FibreChannel)のSANを介してDD BoostとData Domainが通信する「DD Boost over FC」機能を追加した。これにより、バックアップソフトからFC-SANの存在を意識することなく、SAN上のData Domainにデータをバックアップできるようになった。従来、SAN環境でData Domainを使うためには、Data DomainをSAN上のVTL(仮想テープ装置)としてアクセスする方法しか用意されていなかった(このためのオプションを提供していた)。

 Data Domain本体のソフトウエアの強化では、バックアップ済みの増分イメージを結合してフルバックアップイメージを生成する機能を追加した。これまでも、DD Boostを使って常時フルバックアップをとれば、重複排除によって結果的に増分バックアップになっていた。ところが、バックアップソフトの運用によっては、増分バックアップをとるケースがある。この場合に、バックアップソフト側で増分バックアップからフルバックアップイメージを生成することなく、Data Domain側でフルバックアップイメージを提供できるようになった。

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