写真1●(上)日本ハウズイングが導入を進める「HP ElitePad」と、稲毛敬久システム企画部システム開発グループ長。(下)持ち歩く際の安定性や耐久性を考慮し、拡張ジャケットを装着する。
写真1●(上)日本ハウズイングが導入を進める「HP ElitePad」と、稲毛敬久システム企画部システム開発グループ長。(下)持ち歩く際の安定性や耐久性を考慮し、拡張ジャケットを装着する。
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●(左から)浅野尚執行役員システム企画部長、システム企画部システム開発グループの稲毛敬久グループ長と佐野広幸課長
写真2●(左から)浅野尚執行役員システム企画部長、システム企画部システム開発グループの稲毛敬久グループ長と佐野広幸課長
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]

 マンション・ビル管理大手の日本ハウズイングは、営業職や管理職向けのモバイル端末として、Windows8搭載タブレット「HP ElitePad」(日本ヒューレット・パッカード製)を約1000台導入する。2013年6月にはまず、千葉県柏市、東京都立川市の2営業所と、本部役員向けに100台ほどを先行導入した。同社システム企画部システム開発グループ長の稲毛敬久氏は「他の営業所からも導入してほしいとの声が上がっており、最終的には1000台を導入する」と話す。

 約7000管理組合(世帯数にして約39万分)のマンションの管理業務を請け負う同社の営業担当者は、1人当たり15~18の管理組合を担当する。「営業現場では以前から、社外からも基幹システムにアクセスしたいという声が出ていた」(稲毛氏)。タブレットPCを選んだ理由について稲毛氏は、「マンション管理では、現場の写真を撮って報告するような場面が多いので、簡単な操作で写真を撮ってそのまま送れるタブレットが便利。加えて価格もノートパソコンより安い」と説明する。持ち歩く際の安定性や耐久性を考慮して、拡張ジャケットを装着して利用している。ほか、セキュリティ保護の観点から、USB端子は使えない状態にしてある。

 今回のモバイル端末導入と同時に、社外から基幹業務システム「ハウネット(Hou-Net)」にアクセスできるようにした。マンションの所在地や戸数といった物件情報のほか、管理組合の会計情報、管理委託契約の内容などを確認でき、マンション管理規約や点検報告といった文書のPDFも閲覧できる。顧客からの質問などにその場で答えられるほか、理事会などで週末勤務することの多い、営業担当者の負担軽減にもつながる。

 また、営業日報や巡回記録、定期清掃などの期日管理機能なども構築し、業務に漏れや抜けが起こりにくくした。執行役員システム企画部長の浅野尚氏は、「例えば営業日報には、to doを上司や任意の関係者グループと共有できる機能がある。これにより顧客の依頼への対応漏れといった属人的なエラーを防げるようになった。こうした取り組みを原価の低減につなげ、ゆくゆくはお客様に還元できればと考えている」と話す。