インターネット上にファイルを保管しておき、パソコンやスマートデバイスから簡単に取り出せるクラウドストレージが充実、定着してきた。便利な半面、情報漏洩のリスクがあり、企業のシステム管理者には頭痛の種ともなっている。今回はクラウドストレージの利用状況を読者モニターに尋ねた。

 個人ユーザーとしての利用状況を聞くと、利用中は53.9%。残りの17.8%も利用を検討しており、今後もさらに広がりそうだ。利用数が最も多かったサービスはGoogle Driveで50件。以下、SkyDriveが47件、iCloudが44件、Evernoteが43件、Dropboxが41件と僅差で続き、上位を占める。サービスの負担費用を聞くと、「無償分だけを利用」が90.3%に達した。このうち、47.6%が複数サービスの併用である。使用容量は「1GB(バイト)以上、5GB未満」が33.0%、「1GB未満」が28.2%、「5GB以上、10GB未満」が12.6%といった分布になっている。

Q1. 個人向けクラウドストレージを利用していますか
Q1. 個人向けクラウドストレージを利用していますか
Q2. 利用中のクラウドストレージはどれですか
Q2. 利用中のクラウドストレージはどれですか

 クラウドストレージの用途は、プライベートのみが65.0%、業務のみが7.8%、プライベートと業務の両方が27.2%。主なセキュリティ対策は「重要なファイルを保存しない」が73件と回答者(103件)の7割超を占めた。

 クラウドストレージの業務利用を認めている企業は26.2%。このうち、19.9%は特定サービスに限定または会社導入である。一方、黙認状態とする企業も23.6%存在し、対策が追い付いていない実態が浮き彫りとなった。ただクラウドストレージへのアクセスを遮断しても、「新しいサービスが次々に登場するので完全に防ぐのは難しい」「個人所有のスマートフォンで機密書類を撮影してネット上に置かれたらどうしようもない」といった指摘があり、対策も難しいのが実情である。

Q3. あなたの会社では、社員によるクラウドストレージの利用を認めていますか
Q3. あなたの会社では、社員によるクラウドストレージの利用を認めていますか
回答者のコメントから
 顧客の要望などでやむを得ない場合、会社での利用を認めているが、データの暗号化やパスワードの設定ポリシー、公私混同の判断などはエンドユーザー任せになってしまう点が悩ましい。データの期限付き保存やファイル単位の自動暗号化、ワンタイムパスワードによる認証などに対応した企業向けクラウドストレージの充実が望まれる。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2013年5月20日~27日
回答企業数(回収率):383社中191社(49.9%)