IDC Japanは2013年8月7日、2012年の国内オペレーティングシステム(OS)市場規模が前年比1.8%増の1841億1400万円になったと発表した。同市場の2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.6%になると予測している。

図●国内オペレーティングシステム市場 売上額予測
図●国内オペレーティングシステム市場 売上額予測
出典:IDC Japan(2013年8月7日)

 2012年の国内サーバーOS市場は、前年比3.5%増の755億9100万円だった。IDCでは、同市場の2012年~2017年のCAGRを0.8%と予測している。2015年7月でサポートが終了するWindows Server 2003の更新需要により、Windowsは2013年に6.3%成長する見込み。Linuxは高い成長を続け、2012年~2017年のCAGRが7.0%になるという。一方、UNIXとメインフレームは2017年までマイナス成長が続くとIDCは予測。2013年にはLinuxがメインフレームを抜き、Windowsに続く2番目の市場になるとしている。

 国内サーバーOS市場の中で50%弱を占めるWindowsは、2012年の成長率が前年比5.0%増だった。Windowsが稼働するx86サーバーの出荷台数は微減だったが、仮想化でゲストOSの搭載数が増やせる上位エディションの売上比率が高まり、ライセンス当たりの単価が上昇した。

 同じx86サーバーを主力プラットフォームとするLinuxは、同10.8%増だった。サブスクリプションモデルによる安定的な収益構造に加え、基幹系システムへの導入が増えたことで単価も上昇した。UNIXはハードウエアの出荷台数の落ち込みにより、同9.0%減となった。

 2012年の国内クライアントPC OS市場は、前年比0.6%増の1085億2300万円だった。Windows XPからWindows 7への移行で法人市場の売り上げは伸びたものの、家庭市場では買い替えの促進材料が少なく売り上げが減少した。

 Windowsは前年比2.0%減となり、2012年10月に販売開始したWindows 8は売り上げ増加に寄与しなかった。一方、Mac OSは20%以上売り上げが増加した。

 2013年も家庭市場の減少が続くことから、IDCでは2013年の国内クライアントPC OS市場が前年比4.9%減となり、2012年~2017年のCAGRは0.4%になると予測している。