実際にWindows 8と7を交互に触って検証してみて、使い勝手の面で特に大きな違いを実感した機能が二つある。それはストレージ管理およびバックアップ関連の機能である。順番に見ていこう。まずはストレージ管理からだ(図1)。
Windows 8も7も、複数のディスクを束ねて一つのボリューム(ドライブ)として扱えるようにする機能を備えている。ただし、Windows 7の「ダイナミック ディスク」機能の場合、PCに接続されている物理ディスクの合計容量までしかボリュームサイズを設定できないという制約がある。
一方、Windows 8では、ダイナミック ディスク機能に加えて、新たに「記憶域スペース」という機能が加わっている。これは、複数の物理ディスクを束ねて「記憶域プール」と呼ぶストレージプールを作り、このプールから必要に応じてボリューム(記憶域)を切り出せる仕組みである。内蔵ハードディスクだけでなくUSB接続のハードディスクなど異なる種類およびサイズの物理ディスクを接続でき、また、切り出す記憶域も物理ディスクのサイズと関係なく設定できる。
例えば、実際は100Gバイトしか物理容量がない状態で1Tバイトのボリュームを作っておき、足りなくなったら後からディスクを増やして容量を拡張するといったことが可能になる。実際に使ってみると、非常に便利だ。
バックアップ関連機能では、Windows 8に追加された「ファイル履歴」機能が便利である(図2)。Windows 7のバックアップ機能では、スケジュールバックアップが最短で1日1回しか設定できなかった。一般的なPCのバックアップ目的ならこれでも十分だが、1日に何回も更新するようなビジネス文書のバックアップには力不足となる。Windows 8のファイル履歴機能では、最短で10分ごとの世代付きバックアップ設定が可能である。