2013年の産業分野別IT支出は、ほぼ全産業でプラス成長になるとの予測をIDC Japanが発表した。政府の景気刺激策によって国内経済拡大への期待が高まり、多くの企業がIT支出の抑制を解き始めることが要因だという。ただし通信/メディア産業の支出減が大きいことと、個人のIT支出が低調なため、国内市場全体は微減にとどまる。

国内産業分野別IT支出動向(前年比成長率)
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 組立製造(前年比成長率1.6%)やプロセス製造(同2.1%)といった製造業では、円安による業績回復が増加要因。情報サービス業(同3.0%)は、震災後の需要拡大が継続しデータセンターの新設や拡充が進むほか、スマートフォン/タブレットなどの市場拡大をにらんだインフラ投資が進む。

 一方、通信/メディア(同マイナス5.1%)は、通信事業者におけるLTEサービス向け無線インフラの整備が2012年に前倒しされたため、2013年は反動で減少する。また、同調査では17の産業分野のほか、消費者(同マイナス2.6%)という項目で個人のIT支出も調べているが、スマートフォンブームの一巡などを受けてマイナスを見込んでいる。

 国内IT市場全体では2013年は前年比0.1%減で、市場規模は13兆8771億円という。2012~2017年の年間平均成長率は0.1%と予測している。