iOSやAndroidに次ぐ「第3のスマホOS」が急浮上している。「Firefox OS」と「Tizen」である。世界の大手携帯電話事業者が支持しており、日本では2013年後半から2014年に搭載端末が登場する予定だ。標準技術を採用、Webアプリが中心、といった特徴を持ち、企業にとっても有力な選択肢となる可能性が高い。企業利用の際の八つの疑問点を検証しながら実力を探る。
スマートフォン向けのOSは現在、米アップルの「iOS」と米グーグルの「Android」の2強状態だ。両OSで9割以上のシェアを占める。だが近い将来、この勢力図が変わるかもしれない。第3のスマホOSが台頭しているからだ。
第3のスマホOSとは、米モジラファウンデーションの「Firefox OS」(写真1)と、米リナックスファウンデーションの「Tizen」(写真2)である。どちらもOSS(オープンソース・ソフトウエア)で、Web技術の最新標準「HTML5」に準拠しているのが特徴だ。
2013年2月、世界の大手携帯電話事業者が相次いで両OSへの支持を表明。iOSやAndroidに対抗し得るスマホOSとして一躍、注目を集めるようになった。既存のスマホOSよりも規定に縛られにくいという点を通信事業者が評価した形だ。
Firefox OSに対しては、KDDIやスペインのテレフォニカなど世界17社が賛同。まず2013年夏に、南米などの新興国で同OSを搭載した端末が発売される。KDDIは2014年中に搭載端末を投入する予定だ(表)。
一方、TizenはNTTドコモや仏オレンジなどが支持。NTTドコモは2013年後半に、韓国サムスン電子製の搭載端末を発売する計画だ。
Firefox OSとTizenを搭載した端末が実際に登場するのはこれからだが、OSSなので技術的な情報は整ってきている。これらの情報と独自取材を基に、エンタープライズ向け業務端末としての第3のOSの実力を、八つの疑問から検証しよう。