日経BPコンサルティングが実施した「ビジネスとICTに関する調査」報告の第2回。第1回では、2012年度のICT投資の内訳を明らかにしたうえで、今後のICT投資の意向を示した。今回は、取り組むべきイノベーションの領域はどこかを探る。そこには情報システム部門と経営系部門の意識差も存在した。

 最もイノベーションに取り組むべき領域は「事業や経営判断の高速化」であり、ICTを利活用してイノベーションを推進したい領域の第1位でもある(図2-1)。経営系部内と情報システム部内の双方がそう考えている。ただし2位以下となると、両部門の意識に差が存在する。

図2-1●取り組むべきビジネスイノベーションの領域と、ICTを利活用して推進したい領域(複数回答)
取り組むべきビジネスイノベーションの領域には、ICTの利活用が向くものとそうでないものがある。また、いずれも経営系部門と情報システム部門の意識に差があることが見て取れる
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情シスと経営系に意識の差

 経営系は、取り組むべきイノベーション領域と今後ICTで推進したい領域の2番目として「新規ビジネスや新製品などの開発」を挙げた。対して情シスは、取り組むべき領域、今後ICTで推進のいずれも「営業力強化」が2番目である。

 3番目以降を見ると、経営系は「ビジネス領域の拡大」「新マーケティングなどの開拓」などが情シスより多い。一方、「ワークスタイルの変革」は情シスの回答が経営系を大きく上回った。

 経営系はビジネスの拡大や新たな取り組みにより多く期待し、情シスは実績があり活用イメージが浮かびやすい領域を中心に考える現実派といった違いがある。

 図にはないが、イノベーションに対する今後のICTの利用意向を従来の状況と比べると、経営系と情シスのいずれにおいても総じて数値が高くなった。両部門とも、イノベーションのためにICT利活用をより進めたいと考えているわけだ。

 また、イノベーションに取り組むべきビジネス領域の数が多い回答者ほど、ビッグデータをはじめ様々なICTに対する利用意向が強い。こうした点も、イノベーションとICTとの結びつきを感じさせる結果だった。

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