日経BPコンサルティングが実施した「ビジネスとICTに関する調査」報告の最終回。多くの企業は、ビジネスイノベーションの推進にICTを積極的に使いたいと考えている。しかし、そこには壁も存在する。その一つが既存システムの維持・運営だ。最終回は、既存システムの課題はどこにあるのか、その更新の目的は何かを明らかにする。

 既存システムの課題は、どこに存在するのか。その問いへの回答結果が図4-1図4-2である。

図4-1●アプリケーション保守上の課題システムの有無
いずれのサーバーにも課題システムがあるが、特にPCサーバーとメインフレーム上が多い
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図4-2●既存システムの保守作業における課題(複数回答)
「ドキュメント問題」が最多。経営系部門は「見える化」への問題意識が情報システム部門より強い
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 まず、「情報システムのアプリケーション保守において、何らかの課題があると感じているシステムはあるか」をサーバーの種類ごとに尋ねたところ、最も課題が多かったのがPCサーバー。ほぼすべての企業がPCサーバー上のシステムを保有し、うち85%弱が課題を内包している。オープン系サーバー上のレガシー問題は避けて通れない状況になっている。

 メインフレームやオフコンといった“古い”プラットフォームにおけるレガシー問題も、いまだに7割前後の企業が抱えている。メインフレームでは、約4分の1が「多数ある」と回答した。

まず解決すべきは「見える化」

 次に、「保守作業において抱えている課題」を尋ねた。図4-2にあるように最も多かったのは、「仕様がドキュメント化されていない」。情報システム部門の5割がそう答えた。経営系部門の4割弱も指摘し、ともに1位である。経営系は2番目に「ICT資産の現状が見える化できていない」を挙げており、マクロとミクロの両面で「見える化」が足りていないと感じている。

 情シスが2番目に指摘したのは「ベンダーの都合でシステム変更が必要」で、44.3%が挙げた。こりの課題を把握している経営系は少ないのだが、情シスとしては看過できない課題になっている。

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