ハードとソフトを工場で組み合わせて一体で提供する「垂直統合マシン」。2013年4月に発表したNECを加え、主要ベンダー7社の製品が出そろった。IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の構築にかかる、コストやリスクを減らせる。モバイル対応やビッグデータ分析などで、新たなビジネスの創出も支援する。

 垂直統合マシンは、ハード/ソフトの整合性検証やパラメーター設定など、システムインテグレーション(SI)が担う作業を工場で完了。ユーザー企業に“すぐに使えるシステム”を提供する。

 

 ガートナー ジャパン 最上級アナリストの亦賀忠明氏は「バラバラな製品を組み合わせることで増大した複雑性やコストを抑制しようと、統合が進んできた」と話す。

 垂直統合マシンは、ITインフラに関わるコストを減らして新ビジネスの創出へ投資を振り向けたり、モバイル対応やビッグデータ活用を支援したりする(図1)。

図1●新ビジネスの創出を支援
図1●新ビジネスの創出を支援
垂直統合マシンでITインフラのコストを削減し、新ビジネスの創出へIT投資を振り向けられるようにする。モバイル対応やビッグデータ活用を支援する製品もある

 例えば、IBMの「PureApplication System」では、モバイルアプリ向け基盤「IBM Worklight」を簡単に配備できる。Oracle Exadataは、「高速化の仕組みにより、ビッグデータの解析に必要な性能を提供できる」(日本オラクル 専務執行役員の三澤智光氏)。

 一方で、垂直統合マシンを生かすには、ユーザーの発想転換も必要だ。亦賀氏は、「標準製品なので、カスタマイズにこだわらず、ある程度割り切って使わないと効果は出ない」と指摘する。

 各社の垂直統合マシンは様々だ。米VCEと米ヒューレット・パッカードはIaaS向けの製品を提供、米IBMはPaaS向けも用意する。米オラクルはパフォーマンスを最優先。国産ベンダーはSIで培ったノウハウを製品に込める。以下、7製品を詳しく見よう。

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