左から、トレジャーデータの角皆 幾氏、日立製作所の高木 捗氏、土田 正士氏、東京システムハウスの清水 真氏、マイクロフォーカスの小林 純一氏、富士通の高橋 義雄氏、NECの飯島 裕一氏
[画像のクリックで拡大表示]

 COBOLコンソーシアムとITpro Activeは、COBOLコンソーシアムセミナー「COBOLで挑むクラウドとビッグデータの世界」を、2013年4月19日に東京で開催した。セミナー後半のパネルディスカッションでは、COBOLの今後や、クラウド、ビッグデータといった新技術とCOBOLの相性などについて、示唆に富む議論が繰り広げられた。ここでは、そのレビュー記事をお届けしよう。自社のCOBOLアプリケーションの有効活用を考えている人にとっては、必見の内容である。

 パネルディスカッションのメンバーは、COBOLコンソーシアム会長で「ISO/IEC JTC 1/SC 22/WG 4」(COBOL規格)主査でもある日立製作所の高木 捗氏、COBOL製品ベンダーであるマイクロフォーカスの小林 純一氏、データベース設計に携わっている日立製作所の土田 正士氏、レガシーマイグレーションサービスを手がける東京システムハウスの清水 真氏、COBOL製品を開発している富士通の高橋義雄氏およびNECの飯島裕一氏。モデレーターは、「Hadoop」をクラウドベースで提供するベンチャー企業、トレジャーデータの角皆 幾氏が務めた。

これからの50年間も、COBOLはやっぱり大事

NEC
システムソフトウェア事業部 シニアエキスパート
飯島 裕一氏

 角皆氏はまず、「COBOLは今後どうなっていくのか」と問いかけた。NECの飯島氏は、「COBOL資産は全世界で2000億行に及ぶ。すべて他の言語に置き換えると、100年以上かかる。決してCOBOL資産はなくならないし、ベンダーとしてはサポートし続けないといけない。今後も、COBOLは続きます」と力強く語った。

 これを受けて、COBOL規格の主査を務める高木氏は、「COBOLユーザーはどちらかと言うと『今のままでいい』という人が多い。あまり変化すると、保守しにくくなるからだ。今後も、あくまでも『静的言語』として、言語仕様を拡張していきたい」と話した。

日立製作所 情報・通信システム社
ITプラットフォーム事業本部 開発統括本部
ソフトウェア開発本部 第2AP基盤ソフト設計部
主任技師
高木 捗氏

 また、マイクロフォーカスの小林氏は「COBOLは10進計算が簡単に正確に実行できるワンアンドオンリーの言語。だから、金融や給与計算などで利用されている。これは、COBOLが生まれてから53年間、ずっと守られてきた。移植性もいい。COBOLは、ずっと使い続けた方が安心ですよ」と聴衆に語りかけたうえで、「新しい技術に対応しながら、正しい10進計算ができる言語として、これからの50年間もCOBOLはやっぱり大事と思っている」と強調した。

クラウドとCOBOLの相性はいい

東京システムハウス
ビジネスイノベーション事業部マイグレーションソリューション部 部長
清水 真氏

 次に角皆氏は、東京システムハウスの清水氏に「クラウドとCOBOLの相性」について質問。清水氏は「COBOL資産はクラウドに載る。安心していい」と応じた。

 「メインフレーム時代は、COBOLのアプリケーションをダム端末から操作していた。クラウドも同じ形。クラウドとCOBOLの相性はいい」(同)。クラウドには、プライベートクラウドとパブリッククラウドがあるが、この両者の選択基準については、「専任のSEが2人以上確保できるなら、プライベートクラウドを選ぶべき。難しければ、IaaSやPaaSといったパブリッククラウドを選ぶべきだろう」と説明した。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。