NTTPCコミュニケーションズの閉域網サービス「Master'sONE」を利用したWANを提案する。本社を含めすべての拠点に、異なる2種類以上のアクセス回線を利用することで、災害に強いネットワークを実現する(表1)。

表1●NTTPCコミュニケーションズの提案内容
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 本提案にあるすべてのサービスをワンストップで提供。保守・運用については、当社保守窓口(24時間365日受け付け)への連絡により、障害や故障時に切り分けから復旧まで一元的に対応する。

 アクセス回線の帯域増強により、さらに広帯域での利用が可能になる。セキュリティに関しては、閉域網を利用し、通信経路ではIPsecを利用することで、安全性を確保する。

本社はNTTと電力系を併用

 本社(データセンター)は冗長性の確保とコスト削減の観点から、アクセス回線にNTT東日本の「フレッツ 光ネクスト」を利用するプラン(セキュア・インターネットVPN-High Speed)と、電力系通信事業者のアクセス回線(イーサネット専用線)を利用するプランを併用して、2重化構成とする(図1)。電力系通信事業者のイーサネット専用線に関しては、コストを抑えることを意識して、帯域は0.5Mビット/秒を提案する。また光ネクストではIPv6を利用する。

図1●「Master’sONE」内のゲートウエイ切り替えでバックボーンの耐障害性を確保
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 店舗、物流拠点側も有線と無線を組み合わせた形態とする。有線側はフレッツ 光ネクストを使うセキュア・インターネットVPN-BCPプラン。無線はNTTドコモのLTE(Long Term Evolution)サービスを使う。有線回線を引き込めない店舗は2種類の無線通信サービスを併用して2重化構成とする。具体的には、ドコモのLTEと、イー・アクセスの3Gを利用する。

 広域災害への耐性を高めるために、各拠点のアクセス回線からMaster'sONEのバックボーンに接続するアクセスポイントは、東日本エリアと西日本エリアへの2重帰属とし、障害時には接続エリアを切り替えられるようにする。メインとするアクセスポイントについては、可能な限り東日本と西日本にエリア分散させる。

 このほか、災害などによって拠点が機能しなくなったり、拠点に通勤できない状態に陥ったりすることを考慮して、在宅勤務や仮設店舗で利用できるリモートアクセスも併せて提供する。これにより、災害発生時の在宅勤務や仮設店舗での事業継続に備える。Master'sONEのリモートアクセスIDは1店舗1IDを想定し、合計30IDを用意する。

 このほか利便性の観点から、各拠点に無線LANアクセスポイントを配置し、スマートフォンやタブレット端末からも利用できる環境を提供する。

 発注から開通までの期間は、ブロードバンド回線(フレッツ 光ネクスト)を新たに敷設する拠点・店舗で1~3カ月。現場の事前調査の後、回線敷設工事やルーター設置工事の時間がかかる。既にブロードバンド回線を敷設済みの拠点、ワイヤレスのみの拠点の納期は約1カ月。

 見積金額は、設計、テスト作業などの費用をすべて含めて、初期費用が199万7000円。ランニングコストは全拠点分の合計で66万734円。