本社、およびブロードバンド回線を敷設できる拠点に、メインの回線としてNTT東日本の「フレッツ 光ネクスト」をアクセス回線に使う「IIJ SMF sxサービス」(SMFはSEIL Management Framework)を採用し、リモートアクセスサービス「IIJダイレクトアクセス」と組み合わせる(表1)。どちらも、IIJ SMFを採用することで運用の手間を最小限に抑える。

表1●IIJの提案内容
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写真1●各拠点に設置する「IIJ SEIL/X1」
写真1●各拠点に設置する「IIJ SEIL/X1」
背面のUSBポートにIIJモバイル端末を装着して、無線ルーターとして動作させる。

 ブロードバンド回線、モバイル回線との接続には、ゲートウエイとしてサービスアダプタ「IIJ SEIL/X1」を利用。SEIL背面のUSBポートに、IIJモバイル端末を装着することで、無線ルーターとして利用する(写真1)。


納期がかかる回線品目を回避

 完全冗長化を図ることにより、稼働率を高め、障害復旧時間を最小限に抑える。同時に、「発注から開通までの納期が1カ月」という要求仕様にのっとり、広域イーサネットサービスなど納期がかかる回線品目の採用を見送り、コストと納期を考えた構成とした(図1)。またセキュリティに関しては、閉域網を前提とし、さらにIPsecにより通信を暗号化して安全性を高める。IIJ SMF sxサービスでは、光ネクストの網内折り返し機能を利用して、閉域網として拠点間を結ぶ。インターネット接続には使わないため、回線費用を安く抑えられる。

図1●有線接続できる拠点には主回線としてフレッツ 光ネクストを利用
IIJモバイルのTypeDはNTTドコモ、TypeEはイー・アクセスの網を利用。
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 バックアップ回線(従系回線)は、足回りに無線サービスを使うIIJダイレクトアクセスで、IIJのバックボーンネットワークを閉域網として利用する。足回りの無線はIIJモバイルのTypeD、同TypeEとする。

 TypeDはNTTドコモのLTE(Long Term Evolution)、TypeEはイー・アクセスの3G。ブロードバンド回線を利用する拠点ではバックアップ側アクセス回線にTypeDを利用する。無線だけの店舗では、メインをTypeD、バックアップをTypeEとし、主系・従系ともにIIJダイレクトアクセスソリューションを利用した閉域接続で構成。相互バックアップにより、主経路に障害が発生した場合は自動的に従経路に切り替わるようにする。

 クライアントに専用ツールは不要で、ユーザーは上位回線を意識する必要はない。また、SEILのVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)機能を使用することにより、自動切り替え/切り戻しを実現する。

 障害検知時に自動でメールを発行する仕組みを設けることにより、障害通知からファーストコンタクトまでの時間を短くする。通信要件とコストによっては、センター側のモバイル回線をIIJ専用線に置き換えることにより、さらなる安定稼働も実現可能である。

 見積金額は、全拠点のIIJ SMF sxサービスを含め、設計費用、テスト作業費用など初期費用が合計524万5400円。月額費用は全拠点合計118万5100円。