IaaSやPaaSの利用を支援するパブリッククラウド導入支援サービス部門では3サービスを、プライベートクラウド構築支援サービス部門では5サービスをそれぞれ選出した。
今回は、パブリッククラウド導入支援サービス部門の調査項目として「サービス内容」と「実績」の各分野の配点を変更した。実績については平均的な水準が上がっているため、その評価基準を厳しくするとともに配点を増やしている。サービス内容については、多くの導入支援サービスの提供範囲に違いがなくなってきているため、配点を減らした。
SCSKと日本HPを初選出
パブリッククラウド導入支援サービス部門では、「SCSK(USiZE パブリッククラウドモデル(AWS)/ハイブリッドクラウド環境構築サービス)」が総合スコア64.0を獲得、初めて選出された。「サービス内容」「利用開始支援」「保守運用支援」でそれぞれ満点を獲得した(表1)。
Amazon Web Servicesなどのパブリッククラウドサービスの導入を支援するとともに、社内システムやプライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドの構築を支援する。
テラスカイが最高スコアを獲得
最高スコアを得たのは、テラスカイの「クラウド導入コンサルティングサービス」(68.0)である。6分野ある調査項目の中で、「サービス内容」「提供要員」「利用開始支援」「実績」の4分野で満点を獲得した。
「実績」は日本国内における法人ユーザー数(地方自治体なども含む)および全世界における法人ユーザー数(同)によって評価が決まる。今回は評価基準を厳しくしたため、実績で満点を獲得したのはテラスカイのサービスしかなかった。
パブリッククラウド導入支援サービス部門では、総合スコアが62.5未満だが評価の高いサービスについても、「その他の高評価サービス」として掲載した。TDCソフトウェアエンジニアリングや富士ソフト、日立ソリューションズ、日立システムズ、富士通のサービスがある。
その他の高評価サービスを含めた10サービス全体の傾向としては、「保守運用支援」分野に比重が移っている傾向が見て取れる。第5回の調査では、26点満点中20点以上のサービスは六つだった。第6回では八つに増えた。
独自の高信頼性/高可用性サービスを数値目標を明示して提供するかどうか。さらには独自のセキュリティ対策サービスや独自の障害対策サービス、独自のデータバックアップ・サービス、独自の障害復旧支援サービスを用意しているかどうかが評価されている。
高スコアのサービスが並ぶ
プライベートクラウド構築支援サービス部門では、日本ヒューレット・パッカードの「HP CloudStart」が総合スコア66.7で初選出された(表2)。同サービスでは、サーバーやストレージなどをセットにした「HP CloudSystem Matrix」をインフラ基盤に活用し、プライベートクラウド環境に必要な管理ツールと構築サービスを標準化して提供する。日本HPはサービス開始に合わせて、クラウド専門の事業本部を立ち上げている。
NTTコミュニケーションズ、日立製作所、新日鉄住金ソリューションズ、富士通の4サービスも前回に続いて選出された。いずれも3分野以上で満点を獲得している。
プライベートクラウド構築支援サービス部門でも、実績の評価基準を厳しくしたため、満点は2サービスのみとなった(配点は、15点から変更していない)。前回は五つのベストサービス全てが満点だった。
このほか、日立システムズの「プライベートクラウドソリューション」など評価が高いものを「その他の高評価サービス」として掲載した。