インフラ構築/運用

ノーク伊嶋のITベンダーウオッチ

第11回 運用管理で日立製作所のJP1が定番となった理由とは?

2013/03/07

伊嶋謙二=ノークリサーチ シニアアナリスト

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 この連載では、市場で話題の製品・サービスとその主要ベンダーを取り上げて、「ユーザー企業は、ベンダーとチャネルをどう見極めるべきか?」という観点から解説している。

 今回は日立製作所の運用管理ソフトウエアを取り上げる。日立製作所は大鑑巨砲のイメージが強い。事実、海外における大型プロジェクトの受注や、スマートシティ構築など産業基盤を請け負うことを企業のメインビジネスとする体質がある。その中でITは、産業基盤のサポート役と位置付けられているように見える。

 しかし今回取り上げる運用管理ソフトウエアのJP1は、同社のIT事業のコア商材の1つとして、市場で高いシェアと実績を誇っている。サーバーやパソコンなどのハードウエアではなく、運用管理から市場に攻め込む同社の戦略と強みを今回は分析する。

クリティカルなジョブ管理ツールは切り替えにくい

 いわゆるメインフレーム、オフコンなどで稼働する基幹業務システムにおける重要な機能の1つに、多数の端末や拠点などで日常的に発生するバッチ処理がある。1日の業務終了後に、その日発生した大量の情報を間違いなくホストコンピュータに送りこんでバッチ処理を実行し、次の日の業務に反映させる。こうしたクリティカルな業務処理のスケジューリングと自動実行が、いわゆるジョブ管理である。

 ジョブ管理はメインフレームなどのプロプライエタリOSに必須の機能であり、今なお変わりはない。オープン化以降、メインフレームが独自OSからオープンなUNIXやサーバーになっても、基本的なジョブ管理機能は残されている。

 JP1は早くからこのジョブ管理機能のオープン化に対応しており、いち早くユーザーニーズに応えてきた。しかも、ジョブ管理機能はクリティカルなものだけに、いったん採用したツールをリスクを冒してまで他のツールに切り替えにくい性質を持つ。これは基幹業務システムのメインフレームをなかなか他の製品へ切り替えにくいのと同じである。ここに日立の深謀遠慮があったと言わざるを得ない。

 メインフレーム向けジョブ管理機能のオープン化から始まったJP1だが、現在はWindowsから各種UNIX、Linuxまで様々なプラットフォームに対応しており、さらに様々なクラスタリングソフトや仮想化プラットフォームにも対応している。

 かくしてJP1のデファクト化は大手企業を中心に着々と進み、現在は中堅・中小企業における統合型の運用管理市場でも高いシェアを獲得している(図1)。

図1●導入済み「運用管理・資産管理」製品/サービスのうち最も主要なもの
[画像のクリックで拡大表示]

分散処理移行で発生した運用負荷の軽減を目的に開発

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