企業が今後スマートデバイス向けのアプリを継続して開発し業務に役立てていくためには、「開発基盤の整備」が不可欠だ。単発のアプリ数個を開発するだけの企業なら、基盤を整備するまでもない。しかし、スマートデバイスが業務上重要な役割を担い、多数のアプリを開発していく必要があるなら、開発や修正の効率化のためにも基盤整備に着手したい。

 ここでいう開発基盤とは、開発を効率化するためのライブラリー 集や開発ツールなどである。ハイブリッド型のアプリや、HTML5を使ったWebアプリの開発を効率化することを目指す。ハイブリッド型アプリとは、ネイティブのアプリとWebの技術を融合させたもの。ネイティブのアプリの中でWebブラウザーの機能を呼び出し、HTMLファイルを表示したりJavaScriptを実行したりする。「業務用途のアプリは、ハイブリッドアプリやHTML5が主流になりつつある」(日本IBMソフトウェア事業WebSphere第一CTPの須江信洋氏)。

 オープンソースのソフトウエアなどを活用して自前で開発基盤を整える方法もある。ただ、技術力とリソースが必要になる。そこで、新日鉄ソリューションズや日本IBM、野村総合研究所(NRI)といった大手ITベンダーが提供し始めたソフトウエアやサービスが有効な選択肢となりつつある。

 これらのソフトやサービスを利用すると、ログ管理やバージョン管理、認証、サーバーとの連携といった企業アプリ向けの機能を簡単に実装できる。アプリのテンプレートも取りそろえてある。中にはプログラミングの知識が必要なく、業務部門の担当者でも使えるものも登場している。

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