ICTの進展に伴い、企業の情報システム/ネットワーク担当者は広範な知識を求められるようになった。最近では幅広いスキルを持つ人材を育成するため、社内研修を実施するなどして資格取得を積極的に支援する企業も出てきた。

Q1. ICT関連の資格を保有していますか
Q1. ICT関連の資格を保有していますか

 そこで本誌モニター読者にICT関連資格の取得状況を尋ねたところ、保有率は44.1%だった。保有数は1種類が34.4%と最も多く、3種類が21.1%、2種類が20.0%と続く。5種類以上10種類未満も15.6%を占めた。

 保有者が多かった資格は、基本情報技術者(旧第二種情報処理技術者を含む)で34件。ほかは、マイクロソフト認定資格が25件、現在は廃止された初級システムアドミニストレータが20件、情報セキュリティスペシャリストが17件、応用情報技術者(旧第一種情報処理技術者を含む)が16件となっている。今後取得したい資格では、情報セキュリティスペシャリストやシステム監査技術者、ネットワークスペシャリストの人気が高かった。

Q2. 保有している資格は何ですか(上位を抜粋)
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 資格の取得理由は「体系的な知識を得たかった」と「業務上、必要性を感じた」が半数以上。実際、取得してよかったと感じたときを聞くと、「資格の取得で得た知識が実際の業務で役立った」が55.6%と最も多かった。

 とはいえ「よかったと感じたことはない」との回答も24.4%を占めており、結局は本人の業務内容次第。自由意見でも「資格の取得を前提とした業務でない限り、保有の有無で有利不利となることは少ない。勉強する、努力するといったプロセスが大事」との声が目立った。また、「知識より経験が重要」とする意見が多く、「経験や実技が問われる資格を増やすべき」といった意見もみられた。

Q3. 資格を取得してよかったと感じるときはどれですか
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回答者のコメントから
 資格の取得は、金銭的な報酬目当てではなく、体系的な知識習得や自己啓発、人材育成を目的とすべきだろう。企業にとっては、社内のICT人材の裾野を広げるとともに、技術力の底上げを図っていくことが急務となっている。ICT分野の競争力を高めることこそが、ひいては日本の競争力の強化や成長につながっていくものと考えている。
●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター
調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施
調査日程:2012年10月17日~28日
回答企業数(回収率):388社中204社(52.6%)