シマンテックの「Symantec App Center」は、私物端末の業務利用(BYOD)も含めて、iOSおよびAndroid向けアプリケーションのセキュリティ維持や配布を一元管理するためのシステムである。モバイル端末側に常駐するエージェントソフトが業務用データと私用データの分離や、企業ポリシーに従った機能制限、端末紛失時の遠隔データ消去などを実行するのが特徴。オンプレミス型またはSaaS型で利用できる。
管理者の作業は次のようになる。まず、ポリシーマネージャを使って、アプリケーションに設定するセキュリティポリシーを作成する。ここでは、データ暗号化、コピー&ペースト禁止、外部アプリケーションとの連携制限、パスワード設定の強制、オフラインでのアクセス禁止、ローカルストレージの使用禁止、脱獄(Jailbreak)状態の端末の使用禁止、使用APIの制限、ネットワーク接続の制限、アプリケーション終了時のデータ消去などを設定できる。
次に、管理ポータル画面で、先ほど作成したポリシーをアプリケーションに適用し、アプリケーションストアに配置する。すると、アプリケーションのポリシーパック解除、更新、再パックが自動的に行われ、最新ポリシーを適用したアプリケーションがモバイル端末に配布されることになる。アプリケーションの更新通知もここで行う。
モバイル端末側では、常駐エージェントが上記のポリシーに従ってアプリケーションを監視する。ローカルストレージに書き込むデータは、業務用と私用とに分離して管理される。万一、端末を紛失したときには、遠隔操作で業務用データのみを消去し、私用データだけを残すといった処置をとれる。また、遠隔操作で業務アプリケーションの消去、端末のロックや機能制限、パスワードのリセットなどが可能。
主な機能 | 私物端末の業務利用(BYOD)も含めて、iOSおよびAndroid向けアプリケーションのセキュリティ保持や配布を一元管理するためのシステム |
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サーバー稼働環境 | オンプレミス型(Red Hat Enterprise Linux 5.5、Oracle Database 11gリリース2)またはSaaS型 |
エージェント稼働環境 | iOS 4.0/5.0/6.0、Android 2.2以降 |
参考価格 | 1ユーザー当たり年額5300円から |
発表 | 2012年10月16日 |
提供開始 | 2012年10月16日 |