IBM PureData Systemの外観
IBM PureData Systemの外観
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 日本IBMの「IBM PureData System」は、ビッグデータ処理向けに特化したデータベースサーバーアプライアンス製品である。同社のリレーショナルデータベース管理システムであるIBM DB2をベースに、大量データを高速かつ高可用性で処理できるようにサーバーやストレージ、ネットワークなどを調整、さらにシステムエンジニアのノウハウを盛り込んで、短期導入と運用自動化を図った垂直統合型システムである。

 最近は、複雑化するシステム運用を見直すユーザー企業が増えてきた。運用が複雑化するのはマルチベンダーで構築したことが原因だとして、垂直統合型システムに注目が集まっている。ハード/ソフトをまとめて1社の製品でシステムを構築することで、運用管理や保守の簡素化を図るのである。一方、ベンダー側も垂直統合型システムに力を入れており、特定分野に的を絞った設定での導入の自動化や運用管理の自律化を進めている。

 IBM PureData Systemも、そうした垂直統合システムの一つ。米IBMが「エキスパート(専門家)・インテグレーテッド(統合)・システム」あるいは「PureSystems」と呼ぶ製品系列の第2弾である。用途を絞ったインテグレーションの自動化、運用管理の自律化を図っている。インフラやアプリケーションの構築・運用に関する知識、技術、経験を「パターン」として定義・実装し、運用管理ソフトがこのパターンを基に、システム状況を自動的に判断して、問題発生時には適切な対策を自律的に実施する。

 品ぞろえとしては、電子商取引などのトランザクション処理に的を絞った「IBM PureData System for Transaction」を筆頭に、大量データを高速に分析するデータウエアハウス向けの「IBM PureData System for Analytics」と、取引データを蓄積データと照合して不正を検知するなど即時的な分析処理向けの「IBM PureData System for Operational Analytics」がある。

 どの製品も扱うデータ量に応じて、CPU数やメモリー容量の異なるモデルを用意している。PureData System for Transactionは3モデル、PureData System for Operational Analyticsは4モデルがある。PureData System for Analyticsは、扱うデータ量に応じて1/4~10ラックのモデルを提供する。

IBM PureData Systemの概要
主な機能IBM DB2をベースに、大量データを高速かつ高可用性で処理できるようにサーバーやストレージ、ネットワークなどを調整、さらにシステムエンジニアのノウハウを盛り込んで、短期導入と運用自動化を図った垂直統合型システム
価格PureData System for Transactionは2億3000万円から、PureData System for Analyticsは6000万円から、PureData System for Operational Analyticsは2億円から
発表2012年10月10日
出荷開始2012年10月26日