IaaSやPaaSの導入を支援するパブリッククラウド導入支援サービス部門では、テラスカイをベストサービスに選出した。プライベートクラウド構築支援サービス部門では、第4回と同じベンダーが名を連ねた。

 今回のクラウドランキングでは、パブリッククラウド導入支援サービス部門の評価項目として「稼働状況を定期的に報告」を追加、プライベートクラウド構築支援サービス部門では「主に利用する分散処理ミドルウエア/NoSQL」を追加した。

テラスカイを唯一選出

 パブリッククラウド導入支援サービス部門で選出されたテラスカイの「クラウド導入コンサルティング・支援サービス」は、セールスフォース・ドットコムおよびアマゾン ウエブ サービスのクラウドサービスを対象にしている。事前コンサルティングから保守運用支援までを幅広く手掛ける点が特徴だ。6分野ある評価項目の中で、「サービス内容」「提供要員」「利用開始支援」「実績」の4分野で満点を獲得した(表1)。

表1●パブリッククラウド導入支援サービス部門のベストサービス
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 「実績」は日本国内における法人ユーザー数(地方自治体なども含む)および全世界における法人ユーザー数(同)によって評価が決まる。テラスカイのサービスは、900件を超えるクラウド導入実績が評価された。実績で満点を獲得したサービスは評価対象サービスのうちの4社しかなかった。

 パブリッククラウド導入支援サービス部門で、総合スコアが62.5未満だが評価の高いサービスについても、「その他の高評価サービス」として掲載した。ウフルや日立製作所などだ。

 それらを含む回答全体の傾向としては、「サービス内容」や「利用開始支援」の得点が全般に高く、各社が力を入れていることが明らかになった。特に「サービス内容」の評価項目である「有償支援サービスの範囲」については、事前コンサルティングから保守運用支援まで幅広く手掛ける導入支援サービスが半分を超えた。

 「利用開始支援」では、事前コンサルティング、契約支援サービス、利用環境整備サービスそれぞれの内容の豊富さを評価した。調査対象サービスの3分の2以上が15点満点中10点以上を獲得した。

 これらについては、もはや充実しているのが当たり前になりつつある。他社のサービスより一歩抜きん出るには、「実績」や「提供要員」といった分野の得点の大きさが重要になりそうだ。

高スコアのサービスが並ぶ

 プライベートクラウド構築支援サービス部門では、日立製作所、NTTコミュニケーションズ、富士通、日本IBM、新日鉄住金ソリューションズの5社を選出した(表2)。いずれも複数の評価項目で満点を獲得した。

表2●プライベートクラウド構築支援サービス部門のベストサービス
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 例えば、国内外のユーザー企業数を聞いた「実績」では、5社すべてが満点を得た。導入支援の内容などを基に評価する「サービス内容」とシステム構築に利用できるソフトやハードの充実度を尋ねた「製品・技術」においても各社は満点、または満点に近い。

 「サービス内容」では今回、提供可能な設計/構築サービスの内容として、「デスクトップ仮想化環境整備」と「ネットワーク仮想化環境整備」の対応も評価した。ベストサービスに選出したサービスでは、いずれも提供している。

 「製品・技術」の評価項目として、今回は導入支援で利用できる分散処理ミドルウエア/NoSQLを追加した。例えば、「Hadoop/MapReduce」については、ベストサービスに選出したプライベートクラウド構築支援サービスは、いずれも提供している。

 プライベートクラウド構築支援サービス部門全体でも「総合得点」は高い水準にある。日立システムズなど、ベストサービスの基準は満たさなかったが評価が高かったサービスは「その他の高評価サービス」として掲載したので参考にしてほしい。

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