米デルが、サービスやソリューション提供に注力している。「デルモデル」と呼ばれる精密なサプライチェーンを強みとしてきた同社が、どのようにソリューションプロバイダーへと変身しようとしているのか。デルでエンタープライズ全般の責任者を務め、マイケル・デル氏に次ぐ事実上のNo.2であるプレジデント兼CCO(Chief Commercial Officer) スティーブ・フェリス氏と、日本法人 代表取締役社長の郡信一郎氏に聞いた。

(聞き手は高橋 信頼=ITpro


デルの事業のうち、サービスとソリューションが占める割合はどの程度になっていますか。また成長率は。

デル プレジデント兼CCO スティーブ・フェリス氏

スティーブ・フェリス氏: 売り上げのうち34%はサービスとソリューションが占めています。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器やサービスなどです。成長率は前四半期比で約6%。IT業界全体の状況からいって、高い成長率と言えます。

 デルは、ソリューションプロバイダへの変身(トランスフォーメーション)の途上にあります。顧客に対し、オープンシステムに基づいた、コストパフォーマンスの高いインフラを提供する企業に変わります。

一般に、企業が変わることは難しく、多くの場合痛みを伴います。

フェリス氏: デルは変身するために様々なことを行ってきました。

 まず新しい人材を招きました。米IBMで長くソフトウエア事業に携わり、米CAテクノロジーズではCEOを務めたジョン・スウェインソン氏を招き、ソフトウエア事業部門を立ち上げました(関連記事)。

 最近では元ヒューレット・パッカード(HP)のネットワーク部門にいたマリアス・ハース氏が入社し、エンタープライズビジネスを統括しています。

 多くの買収も行っています(関連記事:Dell、IT管理ソフトのQuest Softwareを約24億ドルで買収へDellが1週間で3件目の買収発表、アプリケーション近代化のMake TechnologiesDell、シンクライアントのWyse Technologyを買収へDell、データセンター向けネットワーキングのForce10を買収へ)。単に買収するだけでなく、買収した企業の価値を高めるために、買収後、エンジニアリングの人材を2倍に増やしました。

 世界中にソリューションセンターを建設しています。センターでは、顧客がデルのソリューションに実際に触れ、利用できます。ソリューリョンセンターには10億ドルを投資します(関連記事:Dell、クラウド関連事業に1年で10億ドル投資)。

 またセールススペシャリストを1000人以上雇用し、ソリューション販売を強化しています。

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