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ノーク伊嶋のITベンダーウオッチ

第8回 大塚商会の中堅・中小企業ビジネス成功の理由

2012/09/20

伊嶋謙二=ノークリサーチ シニアアナリスト

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 この連載では、市場で話題の製品・サービスとその主要ベンダーを取り上げて、「ユーザー企業は、ベンダーとチャネルをどう見極めるべきか?」という観点から解説している。

 今回は中堅・中小企業のコンピュータビジネスにおいて、直販による訪問販売で一貫して国内最高峰の実績を誇る販売店、大塚商会を取り上げる。日本の中堅・中小企業へのコンピュータビジネスのスタンダードといえる訪問販売による直販、MFP(Multifunction Printer=多機能プリンター、複合機。以下、複写機とする)の自営保守によるサポート、サプライ販売、システム開発、システム保守など。これら、中堅・中小企業の情報システムまわりで発生するすべての商材やサービスの提供を、文字通りワンストップで実践しているのが大塚商会である。

大塚商会はなぜ中堅・中小企業にこだわるのか

 大塚商会は、中堅・中小企業市場で圧倒的な存在感を誇る販売店、SI企業である。このことは言うまでもない事実であるが、その本当のすごさについて、いまひとつ正しく理解されているとは思えない。

 それはなぜかというと、他に似たような事例が無く、ピンとこないためだ。大塚商会のすごさには、特効薬的な決め手があるわけではない。長期的な継続力と変わらぬ顧客への対応力、そして不断のITへの取り組み姿勢がなせる技だからだ。一般的に言われている「販売力が強い」ことは間違いないとしても、その販売力を支える大塚商会の戦略は、とてもシンプルだが他社が容易に実践しにくいものだ。

 「中堅・中小企業市場で直販、訪問販売のビジネスを成立させる」。これを年商4000億円規模で実現させ、さらに今期目標の年商は連結で5000億円を超える。これが出来ている企業はほとんど無い。大塚商会にとっての主な顧客は中堅・中小企業であり、別の市場から新規に中堅・中小企業市場を攻略してきたわけではない。退路を断って、この層の顧客と一体となってビジネスを展開してきたのが大塚商会である。

 では、なぜ大塚商会だけが中堅・中小企業市場で、年商4000億-5000億円規模のビジネスを成立させているのだろうか。同社の違いを特徴付ける5つの戦略ポイント、キーワードがある。

  1. 徹底してエリアを区切ったメッシュな訪問販売
  2. すべての製品は自営保守を行う
  3. オールフロントによるワンストップ主義
  4. ユーザー企業にクロスセル(関連商品の提案)、アップセル(上位商品の提案)を実現するCRMを実現
  5. 圧倒的な数の新規顧客を取り込むネット通販「たのめーる」

 以下、これら5つのポイントに沿って、大塚商会の特徴を紹介していく。

全国84支店、大塚商会の営業マンは1日に約2万社...

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