昨今では「コンシューマライゼーション」という言葉に注目が集まっている。この言葉は、個人向けに提供される様々な技術が企業向けにも適用されていく流れを表したものだ。
例えば、スマートデバイスの分野では、個人所有の端末を業務でも利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」が話題となっている。ERP(統合業務システム)などの基幹業務システムでは、画面の一部にTwitterやFacebookで見られるタイムライン形式のユーザーインターフェースを採用する例も登場している。
このコンシューマライゼーションの一つに、個人が無償利用できるクラウドサービスを、業務においても活用しようとする動きがある。今回は、この状況を見ていくことにする。
個人向け無償クラウドサービス利用率は4割弱に達する
最初のグラフは年商500億円未満の企業に対し、「個人向けでも無償利用可能なクラウドサービスのうち、業務用途で利用している/利用したことのあるもの(複数回答)」を尋ねた結果である(図1)。
図1●個人向けでも無償利用可能なクラウドサービスのうち、業務用途で利用している/利用したことのあるもの(複数回答)
「利用したことはない」が62.9%と過半数を占めているが、逆に言えば4割弱の企業が利用経験を持っていることになる。また、Gmailなど比較的知名度の高いものは、1割前後の割合で業務用途においても利用されている。