IDC Japanは、国内IT市場主要ベンダーの2011年下半期(7月~12月)の製品ポートフォリオとビジネス戦略を分析、各主要ベンダーの国内売上額について、東日本大震災の影響から回復基調が見られるとした。

 今回の調査対象となったベンダーは、日本IBM、NEC、富士通、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)、東芝(東芝ソリューションを含む)、デル、日本マイクロソフト、日本ユニシス、SAP、NTTデータの11社。IDCでは、各ベンダーのIT製品をハードウェア、ソフトウェア、ITサービスの3種類に分類、2009年上半期(1月~6月)から2011年下半期(7月~12月)の国内売上額を半期ごとにまとめた。

 IDCによると、2011年上半期は、東日本大震災の影響でほぼすべての主要ベンダーが前年同期比成長率(対2010年上半期)でマイナス成長を示していたという。一方、2011年下半期では、富士通、日立製作所、日本マイクロソフト、日本ユニシス、SAPの5社が前年同期比成長率(対2010年下半期)でプラス成長に転じた。

図●国内IT市場総合ITベンダー4社の売上額と前年同期比成長率(2011年下半期)
図●国内IT市場総合ITベンダー4社の売上額と前年同期比成長率(2011年下半期)
出典:IDC Japan(2012年9月)

 総合ベンダーの2011年下半期の前年同期比成長率(対2010年下半期)は、富士通が4.6%、日立製作所が1.8%、日本IBMがマイナス5.7%、日本HPがマイナス7.3%となった。なお、NECは、PCの2011年下半期売上額の大部分が、NECではなくレノボとの合弁会社の計上に変更されているため、比較対象外となっている。

 IDCは、各ベンダーでPCを別の事業と統合および再編する動きが加速し、今後はスマートフォンやメディアタブレットなどのモバイル端末を核とした事業が売り上げの柱になることが期待されるとして、「ITベンダーは、モバイル端末と一体になったソリューションビジネスを整備/再編すべきである。モバイル端末が今後柱となる市場を見据え、ソリューションの価値をビジネスに注入すべき」(IDC JapanのITスペンディング シニアマーケットアナリスト、福田馨氏)としている。