1. セキュリティを最優先してリモートアクセス手段とMDMを選ぶ
2. 導入マニュアル、説明会、サポート用Webサイトなどで、利用者を手厚く支援

 ベアリング(軸受)などを製造する日本精工(NSK)は2012年7月、役職者や営業担当者などの社員約650人に「iPhone 4S」を配布し、それまで使っていた携帯電話をリプレースした(図1)。携帯電話同様に、iPhone 4Sから社内のメール/スケジューラを使えるようにした。

図1●システム構成図
iPhone 4SからSaaS型リモートアクセスサービス「CACHATTO」を使って、社内のグループウエア「Notes/Domino」を利用する。iPhone 4S上では、同サービス専用のアプリケーションが動作する。
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 iPhoneを導入した直接のきっかけは、2012年7月に実施された800MHz帯の周波数再編である。周波数再編で、同社がそれまで使っていた携帯電話(au)の2/3に当たる約1000台が使えなくなる予定だったため、これらを新機種へと移行する必要があった。

 結果的に、1000台のうちの約半数をiPhone 4S(通信事業者はKDDI)に、残りを携帯電話の新機種(au)に移行。さらに、周波数再編の影響を受けない携帯電話の一部もiPhone 4Sに移行した。こうして、2012年7月時点で、約650台のiPhone 4Sを導入した。

写真1●日本精工IT業務本部IT企画グループ課長の山田学氏(写真左)と、NSKネットアンドシステム取締役IT基盤ソリューション部長/管理部長の森谷誠氏(写真右)
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 iPhoneの新規導入に当たって重視したポイントは、セキュリティの確保である。これは、以前から変わらない同社のポリシーだ。今回のiPhone向けには、セキュリティ要件を満たすMDM(モバイルデバイス管理)製品を導入直前まで入念にサーベイした。

 同社にとって、iPhoneを大量導入するのは初めての経験。それだけに、「利用者である社員に対する教育とサポートには苦労した」と、導入を推進したIT業務本部IT企画グループ課長の山田学氏とNSKネットアンドシステム取締役IT基盤ソリューション部長/管理部長の森谷誠氏は振り返る(写真1)。

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