日本マイクロソフトの「Microsoft SQL Server 2012」は、モバイルPCからクラウドまでさまざまな規模のマシンで稼働するリレーショナルデータベース管理システムである。Windows Server専用に設計されており、Office製品からのデータ参照といったエンドユーザー指向の使い方や、ミッションクリティカルな基幹システムの構築などが可能。従来のプロセッサライセンスを廃止し、新たにコアライセンスを導入した。

 主な製品パッケージとしては、サポートする機能の違いにより、下記の3種類のエディションがある。

図1●新しいSQL Server Management Studioの画面。Visual Studio 2010のシェルを採用しており、Visual Studioで使い慣れたコードスニペットやズーム、タスク一覧、マルチウインドウなど、操作性を高める機能を利用できる
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 「Standard」エディションは、拠点や部門レベルの中小規模システムに適した製品。基本的なOLTP(オンライントランザクション処理)、データ分析とレポート作成、プログラミング、ポリシーベースの管理、全コンポーネントを開発/管理できる統合環境「SQL Server Management Studio」などの機能を備える(図1)。

 「Business Intelligence」エディションは、SQL Server 2012から追加されたもので、中規模システムやセルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)に向く。Standardエディションの全機能に加え、対話型分析ができるレポート作成ツール「Power View」や多次元データベース(キューブ)操作ツール「PowerPivot」などを備える。

 「Enterprise」エディションは、大規模な企業システム向けでフル機能を備える。Business Intelligenceエディションの全機能に加え、広域災害対策(AlwaysOn)や大規模仮想化、大規模データウエアハウス、全社員向けBIなどの機能を提供する。

表1●SQL Server 2012の三つのエディションの違い
エディションEnterpriseBusiness IntelligenceStandard
最大CPUコア数OSの最大コア数16コア16コア
基本的なOLTP
基本的なデータ分析とレポート作成
プログラミング
(T-SQL、Spatial型、FileTable)
運用管理
(SQL Server Management Studio、ポリシーベース管理)
データ管理
(Data Quality Services、Master Data Services)
×
セルフサービスBI
(PowerPivot for SharePoint Server、Power View)
×
全社員向けBI
(BI Semantic model、高度な分析)
×
セキュリティ
(高度な監査、透過的データ暗号化)
××
DWH向け機能
(カラムストアインデックス、パーティショニング)
××
高可用性AlywasOn機能従来機能従来機能
ライセンス形態CPUコア数サーバー/CALサーバー/CALまたはCPUコア数
Open Business価格(税別)2コアは256万円サーバーは147万円、CALは3万3300円2コアは66万7000円、サーバーは15万3000円、CALは3万3300円
発表2012年3月23日
出荷開始2012年4月1日
注)CAL:クライアント・アクセス・ライセンス

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