VMware vCloud Suite 5.1のエディション構成図(出典:米VMware)
VMware vCloud Suite 5.1のエディション構成図(出典:米VMware)
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 ヴイエムウェアの「VMware vCloud Suite 5.1」は、クラウド(サーバー仮想化環境)を構築・運用するためのミドルウエア製品群である。サーバー仮想化ソフトのVMware vSphere 5.1を中核に、マルチテナント運用やダッシュボード監視など、各種運用管理ソフトを一括提供する。

 このうちvSphere 5.1では、一つの仮想マシン(VM)に割り当てられる処理能力が以前よりも向上している。仮想マシン当たりの仮想CPU(vCPU)は最大64個、仮想メモリー(vRAM)は最大1Tバイト。また、1秒当たりのI/O処理数は、仮想マシン当たり100万回以上としている。これらにより、大量のリソースを必要とするデータベースサーバーなどの用途にもクラウドを利用できる。

 ソフトウエアライセンスは、シンプルにプロセッサ単位のライセンスを採用した。CPUコア数やメモリー容量、利用する仮想マシン数などには無関係のライセンスとなっている。含まれる運用管理ソフトの種類に応じて。「Standard」「Advanced」「Enterprise」の三つのエディションを用意している。

最上位版はDRサイト運用やアプリのサービスカタログ化が可能

 全エディションに含まれる基本ソフトは、vSphere 5.1のほかに三つある。(1)「vCloud Director」は、マルチテナント運用を可能にする。(2)「vCloud Connector」は、パブリッククラウドとプライベートクラウドを単一画面で統合管理する(相互に仮想マシンを移動できる)。(3)「vCloud Networking and Security Standard」は、ネットワークとセキュリティのリソースをプール化する。

 Advancedエディションでは、vCloud Networking and Security Standardの上位版に当たる「vCloud Networking and Security Advanced」を搭載するほか、稼働状況を監視するためのダッシュボードである「vCenter Operations」を提供する。vCenter Operationsでは、ヘルス(現在進行中の問題を数値化したもの)、リスク(近い将来の課題を数値化したもの)、エフィシエンシ(最適化の余地を数値化したもの)の三つの数値が表示される。

 Enterpriseエディションではさらに、次の五つのソフトを含む。「vCenter Site Recovery Manager」は、災害復旧のためのサイト間レプリケーションと切り替えを可能にする。「vCenter Chargeback Manager」は、課金管理。「vCenter Configuration Manager」は、コンプライアンスのための構成管理。「vCenter Infrastructure Navigator」は、アプリケーションの検出と依存関係のマッピング/管理。「vFabric Application Director」は、アプリケーションをサービスカタログ化して公開/プロビジョニングする。

VMware vCloud Suite 5.1の概要
エディションStandardAdvancedEnterprise
ソフトウエア構成●vSphere
●vCloud Director
●vCloud Connector
●vCloud Networking and Security Standard
●vSphere
●vCloud Director
●vCloud Connector
●vCloud Networking and Security Advanced
●vCenter Operations
●vSphere
●vCloud Director
●vCloud Connector
●vCloud Networking and Security Advanced
●vCenter Site Recovery Manager
●vCenter Operations
●vCenter Chargeback Manager
●vCenter Configuration Manager
●vCenter Infrastructure Navigator
●vFabric Application Director
VMの仮想CPU数最大64個
VMの仮想メモリー容量最大1Tバイト
動作環境x86サーバー
市場想定価格1プロセッサ当たり62万5000円から
発表2012年8月28日
出荷開始2012年9月12日
■変更履歴
記事公開時、エディションで「Enterprise Plus」としていたのは「Enterprise」の誤りです。詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2012/9/5 19:25]