複数のスイッチでイーサネットファブリックを構成するソリューションを提案する(表1)。データセンター(DC)間は、IPトンネリングを使ったVPLS(Virtual Private LAN Service)技術によりレイヤー2(L2)接続し、広域のL2ネットワークを実現する。
DC内の構成については、拡張性を重視した構成を第1案とするが、初期投資を抑えた第2案も併せて提案し、ニーズに応じて選択する(図1)。どちらの場合も、DC内に複数のスイッチを設置し、メッシュ状に接続してイーサネットファブリックを構築。STP(スパニングツリープロトコル)を使わないL2ネットワークを実現する。
それぞれのスイッチの接続は、複数のネットワークインタフェースを束ねて1本のリンクとして使うLAG(Link Aggregation)、MC-LAG(Multi-Chassis-Link Aggregation)などを利用し、高速化と冗長化を図る。LAG、MC-LAGではすべてのリンクをActive-Activeで動作させる。Active-Standbyの切り替えではないため、機器の設定変更に伴うネットワーク停止は数秒単位。障害時の影響時間を極小化できる。将来的にはストレージネットワークもLANに統合し、包括的に管理していくことも可能になる。
DC内はシングルベンダーで構成。これにより、パケットの高速転送、一元的な管理などを実現。マルチベンダー対応が必要な場合は、ネットワークのセグメントを分割し、相互接続する。DC間の接続については、標準的な技術であるVPLSを利用することで、マルチベンダー対応を可能とする。