「昔の旅行の写真を友人に見せたい」「数年前の勉強会の資料が見たい」といったシーンで、どこにいても自宅やオフィスのハードディスクからデータを取り出せれば便利だ。

 そんな使い方を実現できるネットワーク対応ハードディスク(NAS:network attached storage)などの製品が増えている。従来から、パソコンからインターネット越しにアクセスできるNASは存在していたが、iPhoneなどのスマートフォンから専用アプリで手軽に接続できる製品が登場。遠隔からパソコンを操作してファイルにアクセスできるWindows Live Meshなどのソフト/サービスと同様に、いつでも、どこからでも大容量のハードディスクにアクセスできる快適な環境が簡単に手に入る。バッファローによると2010年9月にiPhoneに対応した影響により、利用件数は前年の1.5倍になっているという。

 初期設定さえ済んでしまえば、利用方法は難しくない。外部のパソコンから接続するには、ユーザーはWebブラウザーを開き、特定のURLを入力するだけ。URLとNASをひも付けする情報を管理するサーバーが、自動的に自宅やオフィスのハードディスクに接続。Webブラウザーでファイル一覧を表示できる(図1)。

【自宅やオフィスに置いたドライブ内のデータをネット越しに表示】
図1 ネット越しに、保存したデータをパソコンやスマートフォンから簡単に参照できるようにした製品が増えている。スマートフォン向けの専用アプリを用意する製品が多い
[画像のクリックで拡大表示]

iPhoneでもスムーズ再生

 実際の使い勝手をまずはバッファローのNAS「LS-VL」シリーズで試した。初期設定としては、Webブラウザーで設定画面の「Webアクセス簡単設定」ボタンを押して、アクセスするURLに使う文字列を入力する(図2右上)。その後、設定画面で指定したURLにアクセスすれば、Webブラウザーの画面に公開フォルダーの中身が現れる(図2左下)。

【iPhoneでもOffice文書が表示できる】
図2 設定画面でアクセス用のURLに使う文字列を設定することで、Webブラウザーでファイルの表示ができる。iPhoneアプリではExcelやWordのほか、PDFやテキストファイルを表示可能
[画像のクリックで拡大表示]

 この画面で、画像や動画のアイコンをダブルクリックすると、Webブラウザー上で表示・再生できる。Officeなどの文書は、アイコンをダブルクリックすると、ダウンロードが始まる。ファイルをアップロードすることも可能だ。NASに登録したIDとパスワードでログインして、アップロード用のボタンを押す。

 iPhoneで接続するには、アップルのアプリ配信サービス「App Store」で専用アプリを入手する。アプリ起動後、アクセス用URLの文字列を入力するだけで接続できる。無線LANに接続した状態であれば、動画や音楽もスムーズに再生できた(図2右下)。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。