IDC Japanは2012年7月31日、2011年の国内オペレーティングシステム(OS)市場規模実績と2016年までの市場規模予測を発表した(図1)。

図1●国内OS市場の売上額予測:2011年~2016年(2011年は実績値、2012年以降は予測)
図1●国内OS市場の売上額予測:2011年~2016年(2011年は実績値、2012年以降は予測)
出典:IDC Japan(2012年7月)

 これによると、2011年の国内OS市場規模は、対前年比2.4%減の1808億4900万円となった。また、2011年~2016年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は1.1%とIDCでは予測している。

 2011年の国内サーバーOS市場は、前年比1.5%減の731億7700万円。x86サーバーの出荷台数が横ばいとなり、市場構成比の50%弱を占めるWindowsの成長は4.5%にとどまった。その一方で、仮想化によってゲストOSの搭載数が増やせる上位エディションの売上比率は高まり、ライセンスあたりの単価が上昇した。

 UNIXとメインフレームは、ハードウエアの出荷台数の落ち込みにより、2桁以上の減少となった。Linuxはサブスクリプションモデルによる安定的な収益構造となっているため、8.4%増と堅調に成長している。

 IDCでは、サーバーOS市場の2011年~2016年のCAGRを1.3%、WindowsとLinuxのCAGRをそれぞれ2.6%と5.3%と予測。一方、UNIXのCAGRはマイナス3.9%で、メインフレームのCAGRはマイナス2.2%としている。IDCによると、Linuxは2013年にメインフレームを抜いて2番目のシェアを獲得するだろうとしている。

 2011年の国内クライアントOS市場は、前年比3.0%減の1076億7200万円で、東日本大震災によって2011年上半期の企業向けPCの出荷が大きく落ち込んだことが影響した。これにより、同市場の約90%を占めるWindowsも前年比4.1%減となった。

 2012年のクライアントOS市場は、企業向けの売り上げが回復することで3.3%の成長が見込まれるとしている。特に大手企業でWindows XPからWindows 7への移行が進むだろうとしている。IDCでは、同市場の2011年~2016年のCAGRを0.9%と予測しており、2012年10月にリリースが予定されているWindows 8は消費者向けを中心に漸次導入されていくだろうとしている。