既に多くの企業が、なんらかの形でビジネスインテリジェンス(BI)に取り組んでいる。企業にとってBIは、自社の競争力を高めるために、なくてはならないITソリューションの一つになってきている。

 BIの普及に伴い、BIを実現するためのIT製品の成熟度も増している。その代表例が、BIで必要になる機能一式を提供する「BIプラットフォーム」と、分析対象のデータ量が増加することによるパフォーマンス劣化問題を解決し、導入/管理の簡素化を実現する「データウエアハウスアプライアンス」である。

 BIプラットフォームは、データ分析やレポーティングに必要となる一般的な機能が提供されるようになり、製品間の差も小さくなってきている。テクノロジや製品に関してその成熟度と影響度合いを分析している「ハイプ・サイクル」レポートでは、BIプラットフォームは「生産性の安定期」(技術が成熟し、企業へ確実なメリットをもたらすとともに、ベンダーの能力を評価する基準がより明確に定義される)に位置付けられている。データウエアハウスアプライアンスも、導入実績を積み重ねることで、成熟度を増しており、生産性の安定期に近づいていると分析している(図1)。

図1●日本におけるBIのハイプ・サイクル
出典:ガートナー「日本におけるBIのハイプ・サイクル:2011年」(2011年12月)
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データ分析を、より直感的かつ容易に

 成熟するテクノロジや製品がある一方で、BI分野においても新しいテクノロジが続々と登場している。

 例えば、対話型で分析結果を可視化できる「インタラクティブ・ビジュアライゼーション」、メモリー上で高速に処理する「インメモリー・アナリティクス」、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイス上でBIを実現する「モバイルBI」といったテクノロジが、「より直感的かつ容易にデータを分析したい」というニーズを満たすべく登場してきた。これらのテクノロジは、新しい製品として提供されることもあるし、旧来のBIプラットフォーム製品への追加機能として提供されることもある。

 中でも、モバイルBIは各ベンダーが力を入れているテクノロジだ。スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスから売り上げや在庫といったデータを直感的に利用・分析できるようになれば、特にオフィスの外で働く従業員にとっては、データアクセスまでの時間を大幅に短縮することにより、より迅速な意思決定が可能となる。

 これら3つのテクノロジは、組み合わせて利用することで、より魅力が増す。インタラクティブ・ビジュアライゼーションとインメモリー・アナリティクスを組み合わせることで、動きのあるグラフを利用しながら、さまざまな切り口のデータを高いレスポンスで確認できる。また、インタラクティブ・ビジュアライゼーションとモバイルBIの組み合わせは、新たなユーザーエクスペリエンスを提供できる可能性を秘めている。

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