企業の情報分析/活用に変革をもたらす「ソーシャルテクノロジ」が、大きな注目を集めている。ソーシャルテクノロジとは、一言で言えば、公開された、オープンな情報のやりとりを実現する技術である。電子メールのように閉じたコミュニケーションではないところがポイントだ。
図1に、ソーシャルテクノロジのハイプサイクル(技術に関する期待度と成熟度を表した曲線)を示した。
図に示すように、SNS(ソーシャルネットワークサービス)、掲示板、ブログなどの「ソーシャルメディア」や「企業ブログ」、「企業wiki」は、すでに啓蒙活動期(明らかになった問題に対する地道な改善の努力の結果、テクノロジのリスクとメリットが正しく理解されるようになるとともに、淘汰され少数になったベンダーから第2世代や第3世代の製品が提供される)に入っている。
一方、企業向けのソーシャルテクノロジ製品「エンタープライズソーシャル・ソフトウエア」は、ちょうど幻滅期(過度に高まった期待に応えられない事例が明らかになり、市場の評価/関心が急速に低下する。この段階でベンダーの淘汰が起こる)に差し掛かったところだ。
注目の技術「ゲーミフィケーション」(ゲームの仕組みや考え方を非ゲーム的な分野に活用すること)や「アクティビティ・ストリーム」(TwitterのタイムラインやFacebookのニュースフィードのようにユーザーの活動を時系列に表示すること)は、「過度な期待」のピーク期(テクノロジ・リーダーによるPR活動が盛んに行われることで、一部の成功事例が熱狂的にクローズアップされ、非現実的な期待が過熱する)となっている。
表1に、エンタープライズソーシャル・ソフトウエアの例を示したので、参考にしてほしい。