国内パブリッククラウドサービス市場が急速に拡大している。IDC Japanの調査によると、2012年の市場規模は、約1000億円に達する見込みだ。2011年(662億円)の1.5倍である。

 2011年から2016年までの年平均成長率は38.8%で、高い成長を維持する。前年比成長率は2012年をピークに年々下がっていくものの、2016年でも約30%を維持する。2016年には2011年比で5.2倍となる3412億円にまで市場が拡大しそうだ。

 IDCはパブリッククラウドサービスを、アプリケーション・アズ・ア・サービス(AaaS)、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(IaaS)の3分野で定義している。

 特に大きく成長しそうなのがPaaSだ。2015年にはPaaSの市場規模が1000億円を超え、3分野のなかで最も大きな市場になる。

 クラウドベンダーが増えたことや、サービス内容が拡充したことで市場が一気に拡大する。導入事例が数多く公表されるようになったことも、市場拡大に寄与している。今後も順調に市場が拡大していくには、サービス提供事業者がユーザー企業に対し、クラウドのメリットだけでなく課題も適切に提示していくことが必要であると、IDCは指摘する。

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