BYOD(私物デバイス活用)はどこまで広がっているのか。ユーザーの本音は。実際に導入している企業では、どのような効果が得られ、どのような措置を講じているのか。アンケートと事例からその実際を探る。

 読者の職場では、BYOD(私物デバイス活用)はどこまで導入されているのか---ITproでは「BYODに対する関心の高まりをもたらしたもの 」と題する記事で、読者の勤務先でのモバイルデバイスの利用についてアンケートを行った。

 その結果浮かび上がったのは、私物デバイスを社内システムや社内ネットワークで正式に利用できる読者は約2割。約5割は利用したいのに利用できていないというギャップだ。アンケートでは読者の状況とともに、意見も募集したが、私物デバイスを利用したいという多くの声が寄せられた。また、同時にBYODをいたずらにはやすのではなく、リスクをきちんと認識して当たらなければならないというご意見もいただいた。

 以下、回答の詳細を紹介する。回答者はITpro読者であり、IT関連の業務に従事しているかIT系の企業に勤務している場合が多いため、この調査が一般の傾向をそのまま表しているわけではない。また、集計されたのは回答者の数であり、企業数ではない。しかし、BYODの実際を理解する上で参考になるデータであると考えている。

約7割が「私物デバイスを業務でも利用したい」

 最初に、「社内の情報システム/ネットワークを自分が所有するデバイスで使いたいか」を尋ねた。

図1●社内の情報システム/ネットワークを自分が所有するスマートフォンで使いたいと思いますか(単一選択)

 スマートフォンとパソコンそれぞれについて回答してもらったが、ほとんど同じ傾向を示した。すでに利用できているのは2割弱。使いたいと考えている読者は約5割。利用したいという意思のない読者は約3割だった。

PCは7割弱、スマホは3割、勤務先が支給

 次に、勤務先がモバイルデバイスを支給しているかどうかを聞いた。

図2●あなたの勤務先企業では、モバイル機器を従業員に支給していますか(複数選択)

 多くの組織がデバイスを支給しており、ノートパソコンでは67.7%にのぼる。勤務先が携帯電話を支給しているという回答は57.9%。スマートフォンになると減るが30.6%が支給しているという回答だった。タブレットを支給しているという回答も、15.8%とまだ少ないながら一定数あった。ただし、アンケートの自由記入欄では「支給されている従業員は管理職など一部に限られている」という意見もあった。

 会社が支給するのではなく、従業員が購入した際に補助するかどうかも聞いてみた。すなわち、従業員が選んだデバイスを使えるということだが、ノートパソコンで1%、携帯電話で2%、スマートフォンで1.5%、タブレットで0.8%と、このような制度を採用している組織はまだきわめて少ないようだ。

 またこの質問に関しては「勤務先が何も支給していないので選べる選択肢がなかった」というご意見をいただいた。質問に不備があったことをこの場を借りてお詫びしたい。

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