IBMは、2012年4月に日本を含む世界各国にて「エキスパート・インテグレーテッド・システム(EIS)」という新しい製品カテゴリーを発表した。これは、従来の汎用システムやアプライアンスとは異なる新たな分野で、同社がこれまでの経験で培った専門性をパターン化してシステムに実装したものだ。IBMではこの新製品カテゴリーの開発に、4年の月日と20億ドルの研究開発費、そして7500人の研究員を投じている。
この新製品カテゴリーの第一弾として登場したのが、「IBM PureSystems」ファミリー製品だ。「汎用システムとアプライアンスの良い部分を組み合わせた」とIBMが自信を見せるエキスパート・インテグレーテッド・システムについて、またその最初の製品となるIBM PureSystemsについて、日本IBM システム製品事業 理事 マーケティング&ソリューションの星野 裕氏に聞いた。
エキスパート・インテグレーテッド・システムという新しい製品カテゴリーを開発するに至った経緯は?
多くの顧客が、運用管理費の増大という課題を抱えている。ハードウエアは技術の進歩でコストパフォーマンスが高まったが、サーバーの性能が上がるにつれ仮想化も進み、仮想サーバーも含めると管理対象となるサーバー台数は増える一方だ。いまではインフラ全体にかかるコストの中で運用管理費が70%を占めているとも言われている。ここを大きく削減できればメリットは大きい。
また、導入の際には、出荷前にシステムを最適化し、製品が到着してすぐに使えるべきだと考えた。このようにエキスパート・インテグレーテッド・システムは、導入と運用管理にかかる工数やコストを削減することを目標として開発したシステムだ。